当ブログのエントリの年間ランキングとあるべき姿
一部のオルタナブロガの方々と同様、このブログでもアクセスログを収集している。アクセスログから得られる情報をエントリにフィードバックすることはあまりないので、年末の機会に2008年の年間ランキングとして利用することにした。
また、一般的に受け入れられているブログの性質とは若干矛盾するかもしれないが、このブログのポリシーというか、あるべき姿を私なりに考えている。その内容を紹介するとともに、あるべき姿とランキングの指向をみることにより自己評価したいと思う。
このブログはソフトウェア開発/システム開発に携わる方に、気づきとなるような情報を提供することを念頭においている(つもりだ)。具体的には、読んでくださった後に「森崎はあんなこと書いてるけど全然わかってない。ウチの事情はこうだから『こうすべきだ』」という読者ご自身の身の周りの改善や課題の発見をしていただくことができれば、このブログは使命を果たしていると思っている。
ランキングは以下のとおり。全体として、あるべき姿に矛盾していないと考えている。
- Googleのコードレビュー 5/22
Google社員によるチュートリアルのビデオを休日にみて、興味深かったのでエントリにした。レビューやインスペクション等の欠陥予防活動をもっと知ってもらうことができればというのがきっかけ。その効果が得られているのではないかと思う。その後、Googleの工藤氏に大学で講演もしていただき、そのトピックの1つがGoogleのコードレビューに関することだった。そのときのことを書いたエントリはここに。 - ドコモの方針変更が携帯ソフトウェアに与える影響は? 3/24
携帯プラットフォームの追加や変更に伴う、保守性と信頼性のトレードオフについて書いた。直近の信頼性に目が向きやすいが中長期的に重要になってくる保守性についても考えるきっかけを提供できればと思った。 - 計測/メトリクス (エントリのカテゴリ)
カテゴリのページが上位にあがってくるのは不思議だが、検索エンジンからの誘導によるものだ。「計測/メトリクス」カテゴリが他のカテゴリと比べてエントリ数が突出しているわけではない。他で不足している公開情報を補っていると考えるならば、価値があるのではないかと思う。 - 「(システムに)あまりに完全なものを求めるとコストがかかり顧客の負担も増えてしまう」 9/29
asahi.comの記事の1つに記されていたセブン銀行のトップの発言が素晴らしいと思ったのでエントリにした。発言すること自体にもある程度のリスクがあったと思う。このエントリを多くの方に読んでいただき、再考のきっかけを提供できたとするならば、非常に価値あることだと思っている。 - レビューにおいて「不意打ち指摘にがっかり」を示す実験結果 7/31
修士、博士課程の学生さんと一緒に進めている研究テーマの適用評価実験中に得られた結果のうち、学術論文には書きにくい(客観的データとともに示すことが難しい)内容を書いたエントリ。研究テーマの検討には、かなりの時間と手間をかけるので連発はできないが、このようなエントリはこのブログの価値の中心部分の1つだと思っている。
3位にカテゴリが入ったのは検索エンジンからの流入によるものだ。あわせて、検索キーワードのランキングも示す。5位のYahooはYahoo Search BOSSという検索プラットフォームを例にとって、ソフトウェアでの競争領域と協調領域を考えてみてはどうだろうか、というエントリが検索されている。Yahoo一単語のみで私のエントリが引かれるとは考えにくいので、能動的にキーワード検索した結果ではなく、最新ニュースとしてどこかに出た、とか、「Yahoo」をキーワード登録していた方に通知されて読まれたのではないかと思う。
- デグレード
- バグ票
- ソフトウェアメトリクス
- コードレビュー
- Yahoo
定量分析、エンピリカルな検証は本業の1つということもあり、本当は自身のアクセスログから、べき乗分布をはじめ各種確率分布へのフィッティングの試みや収集データ源の属性からみた考察をしたり、吉川氏のエントリ、山口氏のエントリの議論を切磋琢磨するためのコメントを書いたりしたいのだが、その時間はとれそうにない。。
最後に。このようなまとめのエントリがかけるのは、ここを読んでくださっている方々のおかげであるとともに、鈴木氏(ばんちょ~)をはじめとするオルタナティブブログの事務局の方々のおかげだと思う。皆さま、今年もありがとうございました。引き続き来年もよろしくお願いいたします。