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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

「(システムに)あまりに完全なものを求めるとコストがかかり顧客の負担も増えてしまう」

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2008/5/30のasahi.comの記事「コンビニATMが死角 三菱UFJ障害」で詳細が伝えられていた。本エントリの表題はその末尾に記されたセブン銀行の安斎社長の発言だ。記事ではこの発言を「ジレンマ」として記述していたところが印象深かった。記事はちょっと前までhttp://www.asahi.com/business/topics/TKY200805120307.html で見れていたのだが今はみれない。いい記事だと思っていたので残念だ。

この部分を読んで、サービスやシステムの提供者はそのようなトレードオフやジレンマについてもっと明らかにしたほうが利用者にもメリットがあることを示唆しているのではないかと私は思う。

発言が記事に書かれた背景は私にはわからないが、トラブルが起きてまだ間もない状況でこの発言ができるのは、ベンダ以外のステークホルダに限られるように思う。その機会が与えられたからといって必ずしも実際に発言できるかというと、なかなか難しい。普段から状況が適切に共有されトレードオフについて相互に理解した上で、最終利用者の立場になって考えられていなければ「ジレンマ」として理解させるような発言はできないように思う。

システム/ソフトウェア開発受託側の立場からみると、システム/ソフトウェア開発委託側に状況を伝えておくことは不備の有無にかかわらず、トラブル発生時の対処がスムーズになるのではないだろうか。普段の情報共有が十分にできていないときであっても任せた以上、委託側は「あれどうなってますか?」とあまり聞きたくないと思っていることが多い。つまり、そのような質問の際にはそれなりにせっぱつまった事情があるのではないかと思う。そのときに適切な状況報告ができなければ表題のような発言を委託側にしてもらうことはなかなか難しいように思う。

この話は、過日の@IT情報マネジメントの工事進行基準のセミナの特別講演でお話した内容だ。うなずいていらっしゃる方も多かったように思うのでエントリにした。

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