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それは匿名でなければ言えないことか

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先のエントリには匿名とハンドル名の両方のコメントが付きましたが、久保田さんのエントリに批判的なコメントは、相変わらず匿名ばかりです(そもそも、久保田さんは JASRAC 関係者ではありません)。先日のシンポジウムで、佐々木氏は「間違いなく匿名性が必要な場合がある」とおっしゃっていましたし、私もこれを否定するものではありません。実際、「「匿名」対「実名」」で書いたとおり、私自身が匿名(仮名)を使っていたこともありました。

また、私が「匿名で書かれていることが・・・その素性を物語っている」と書いたことについて、heatwave さんから批判的な意見をいただきました。たしかに、「匿名=不正ユーザー」を思わせる書き方になっていたことは問題だったかもしれません。しかし、heatwave さんのように建設的なコメントを投稿されるのであれば、やはり匿名である必要はないように思います。実名(あるいは固定ハンドル名)を名乗ることにメリットがないという意見もいただきましたが、無責任な発言ではない意思表示ができるのはメリットと言えるのではないでしょうか。にも関わらず匿名でしか批判しないというのは、自分たち自身は批判を免れたいという甘えではないでしょうか。

新聞の投書欄などは、実名が原則です。これは無責任な発言(言いっぱなし)を排除するという意味があります。もちろん、犯罪被害者や社会的弱者など実名を出すことが不適切な場合には、編集側の判断で仮名が認められる場合もあるでしょう。しかし、現実に、そうしたケースというのはあまりありません。たとえば、著作物の利用者は社会的弱者ではありません。

先のシンポジウムでは、このようなコメントを総じてノイズとひとくくりにされ、「ノイズはあって当然」「ノイズを気にしてもしかたがない」のような意見も出されていました。しかし、必要もないのに匿名を乱用することは、本来「匿名でなければ言えないこと」を言いたい人たちの権利を奪っているとすら言えるのではないでしょうか。

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