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「Twitterって意味あるの?」と考えている会社の担当者さんにまず考えていただきたいこと

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遅くなりましたが、先月のオルタナ会で本荘さんにお会いした時にいただいた著書「大企業のウェブはなぜつまらないのか」を拝読した感想を記しておきたいと思います。

いただいた時は題名を見て、企業ウェブサイトの話かと思ったのですが、まえがきにあるとおり、これは「ウェブの本より経営書」ということです。この本の出版はなんともう2年半以上も前の2007年2月なのですが、今でも十分に通用する示唆に富んでいて、今では中小企業の方でも十分対象になりうると思いました。

2年半前、といえば、企業ブログなどが俄かに注目を集めていた頃ではありますが、まだまだソーシャルメディアと企業との関係はほとんど論じられることがなかったと思います。今読むと、ソーシャルメディアの現状などについてはデータが古いというものは否めないものの、企業が考えなければならない全体的な顧客との関係について、私がなんとなく思っていたことがまとめられていて大変興味深く読ませていただきました。

以前のエントリでもちょっと触れましたが、ネット社会が進化したことによって、顧客との関係が大きく変わっているということ、これを理解していない企業担当者はまだまだ多いのではないか、と思っています。この根本を理解しないで、ウェブサイト上でこれまでTVで流していたCMをそのまま流したり、Twitterでただ企業の情報を垂れ流す、これまでのマスマーケティングのやり方をネットに移しただけでは、それはネットが本来持つ機能を全く活用できていないといえるでしょう。

本荘さんは本書の中で、ネットのコミュニケーションに機能間の連携が必要と説いており、「そもそも、顧客との接し方について統合的に顧客の視点で戦略立案している企業は数少ない」と指摘されています。

顧客との関係は確実に変わってきている。それはこれまでなかった顧客とのダイレクトな繋がりであり、また顧客同士も繋がってきているということ。
本荘さんによると、ネット化がもたらす変化は以下の8つがあげられています。

①顧客と直接つながる
②新メディアであり新顧客チャネルとなる
③広く顧客を理解することができる
④顧客リレーション(関係)が変わる
⑤顧客が情報発信する
⑥顧客同士がつながる
⑦顧客経済性が変わる
⑧顧客と協働する

⑦は、これまでは購買量に基づいていたお得意様、という見方から、顧客を創造する顧客を重視して施策を打つことの重要性が書かれています。

ここから表題のTwitterの話に戻りますが、私はソーシャルメディアマーケティングについての勉強をしていたこともあり、また学校でもソーシャルメディア関連のプレゼンなどをやっていましたので、よく「Twitterって(会社にとって)意味あるの?」と聞かれました。

答えは「It depends」です。
だってあくまでもTwitterっていうのは一つのツールですから。
どんな目的でどのように使うかはあなた次第、なのです。
その上で、やり方は適切か、効果はあるか、という話になるべきです。

まずは、企業としてどう顧客と接するのか、どうコミュニケートしてどうインタラクトするのか、といった根本的な戦略がないままに、ただTwitterを使おうというのでは、果たして何を達成できたのかもわかりませんよね。

マーケティング(もしくは広報部)に、「Twitter使って安く宣伝できないのか?」なんておっしゃる経営層の方がいらっしゃれば、まずは、会社の情報が顧客視点に立って整理されているか、各部門の情報が同じ客に対してバラバラに統一性なく発信されていないか、顧客が営業マンから聞く言葉とプレスリリースで受け取るメッセージを違っていないか、など、まずは根本の情報戦略を考えて欲しいと思います。また、すでに顧客から多くのアクセスを得ているのであれば、そこ(ログ)から顧客を理解しようとしているか?ということも大事ですね。

自分の顧客はどういう人たちなのか?どのようにその会社の情報を探そうとしているのか?どのような情報をどんな時に求めているのか?どこでその会社や製品やサービスについて顧客同士が話をしているのか?

「当社はお客様第一です」と宣言するのであれば、まずはネットを最大活用して顧客との対話を促進することが不可欠ではないでしょうか。その上で、Twitterが有効なツールだという結論になればぜひ活用したらいいと思います。

私が最近興味を持っているのは、FacebookなどのオープンのSNSではなくて、BtoBのビジネス企業による、閉じたSNS(オンラインコミュニティ)です。アメリカでEMCなどいくつかの企業の実例を担当者から聞きましたが、企業内、また企業外とのコラボレーションについてもネット活用の効果はまだまだ計り知れないと思っています。まさに「顧客同士がつながる」「顧客との協働」の実現です。これはBtoCに限った話ではないと確信しています。

話が脱線しましたが、本書には上記のこと以外にも、企業がこれからどう戦略を立てていけばいいかということが多く書かれています。大企業はもう既に行動されていることがほとんどかと思いますが、中小企業の方で、まだまだこれから、という企業があれば、お勧めします。また、大企業に比べて、専門に特化している企業の方がより顧客をターゲットしやすく、ネット戦略による効果は大きいのではないかと思います。

とにかくこの本が、「2年半以上前に書かれた」ことに私は感動しました。最近新しい本「エコシステム・マーケティング」を出されたとのこと、さっそくAmazonで購入しました。読んでの感想はまたの機会に。

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