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謹賀新年+2008年は9個

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あけましておめでとうございます。オルタナブロガーの皆さん、元日に多数ご投稿の模様ですが、僕はちょっとで遅れてしまいました。

さて、新年なので今年の抱負を書くべきなのでしょうが、いきなり2008年のまとめから。2008年は9個でした、という話です。

これには説明が必要です。というか、もっともっと僕の仕事に関して説明が必要ですよね。こちらも追い追い。

2008年に9個だったのは、1年間で払い出されたIPアドレスの数で、/8(スラッシュ8)と呼ばれる単位で89個でした。/8というのは、IPv4アドレスの全空間の、256(2の8乗) 分の1、別名、クラスAアドレスのサイズ。IPv4アドレスの第一オクテットの数字を9個払い出した、ということです。

グラフなど出してみましょう。


Ipv4addrdistyearly2008yearend

AfriNIC, LACNIC, APNIC, RIPE NCC, ARINというのは、それぞれRIR(Regional Internet Registry: 地域インターネットレジストリ)と呼ばれる、IPアドレス管理団体の名前。全世界を5つの地域に分割して、IPアドレスを分配しています。5つのRIRは、それぞれ手持ちの在庫が少なくなると、インターネットプロトコルに関するありとあらゆる番号の管理を行っているIANA(Internet Assigned Numbers Authority)に/8ブロック1つあるいは2つを請求します。これが、2008年は9個払い出された、ということです。

ちなみにIPv4アドレスの全体== 256 /8のうち、残りは12月31日現在で34個となっています。グラフをご覧になると分かるように、2004年くらいから、コンスタントに年間/8 10個くらいずつ消費していっていますので、そのペースのまま定規で線を引くと、3年半くらいでIPv4アドレスがなくなることになります。実際にはもう少し加速度が付いていると考えられていまして、2011年第一四半期に、IANAの在庫がなくなると予想されています。この予想はIPアドレス管理業界(?)で広く信頼されている、Geoff Huston氏のもの。専用Webページで、日次で予測値を計算しています。URIはこちらです。http://www.potaroo.net/tools/ipv4/index.html

このページの最後のほうに、各RIRの在庫状況の折れ線グラフがあります。これを眺めて、ARINとRIPE NCCで、追加分配間近だと11月初めくらいから言われていたのですが、最後の最後、日本が仕事納めを終えた後、ARINから分配を受けた旨アナウンスがありました。RIPE NCCは結局年内には出なかったですね.出ていたら11個ということになっていて、2005年以降連続して10以上、という状況になっていました。


ここまで淡々とIPv4アドレスの消費状況をお話してきましたが、2011年第1四半期って、2年後です。つまり、あと2年後には、新たにIPv4アドレスが欲しいと言われても、お出しできなくなる見通しです。 これを、IPv4アドレスの在庫枯渇と言います。


僕が2007年の1月にJPNIC事務局の専従職員として着任して以来、それ以来一番時間をとってやっているのが、このIPv4アドレス在庫枯渇の問題です。ばんちょ~さんが新規ブロガーとして紹介して下さった文面でもそんなことが書いてありますが、オルタナブロガーミーティングで、この問題に関してお話をする機会をいただいたのが、僕がこちらに寄せていただくきっかけとなったのです。

このページでも順を追ってお話していきます。気になる方は、検索していただく以外に、JPNICの情報集積ページや業界団体が広く集まって協働している、IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース(とりあえずWebはこちらで、現在独立ページ準備中)をご参照下さい。

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