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クラウドの元祖はHP(ヒューレットパッカード)?

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「クラウドコンピューティング」という言葉の起源は、2006年8月のエリックシュミットによる講演での発言というのが一応の定説かと思います。

しかし、先日のHPのアナリストイベントで、HPのマーケの人が「2000年にLoudCloudという会社がありましたが、それは今やHPの子会社なので、クラウドの元祖はHPです」みたいな話しをしてました。

LoudCloudはマークアンドリーセンが創業した会社です。確かに2000年時点で仮想化と自動化を駆使した高度なWebインフラホスティングを提供していたので、今日におけるクラウド的なことを最初に始めた企業のひとつと言ってよいでしょう。その後、同社はビジネス的にはあまりうまくいかなかったようで、サービス事業をEDSに売却し、Opswareと社名を変えてソフトウェア事業に特化したビジネスを展開していました。そして、2007年にHPはOpswareを買収し、さらに、2008年にEDSを買収したので、LoudCloudの遺産はすべてHPが引き継いだことになりました。ということで、先のマーケの人のお話しも嘘ではないということになります。

クラウドについて語る人は、たまにはマークアンドリーセンのことも思い出してくださいということであります。

この件についてもうひとつ言えることは、HPの企業買収は比較的うまくいっているものが多いということです。この点で、サンとは対照的に思えます。なお、今後、この手のエンタープライズ系の真面目なお話しは、会社のブログ(近日公開)で書こうと思っております。

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