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2009年の重要ITトレンド予測とテックバイザーの立ち位置

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なかなか先行き不透明な状況ですが、今年特に注目すべき重要動向と予測、そして、テックバイザーとしてどのように対応していくかについてまとめてみました。

1.クラウド・コンピューティングの段階的普及とPaaS市場での覇権争い
 クラウド・コンピューティングは2009年のホット・トピックであり続けるでしょう。基本的には従来の考え方の延長線上にあるものですが、特に見逃せない動きとしてクラウド向けプラットフォーム(PaaS)における競合と合従連衡があります。「クラウドの世界におけるWintel」を目指す争いとも言えるでしょう。プラットフォームをいったん押さえることができれば長期的に優位な立場を維持できますので、ベンダーにとってはきわめて重要です。

また、前も書きましたが、クラウドの登場によってSIerの仕事がなくなるということはないでしょう。業務パッケージが普及してもSIerの仕事がなくならない(むしろますます増えている)のと同じです。SIerと言いつつ実は箱売り中心の商売をしているところは厳しくなるかもしれませんが。

TVJPの対応: クラウドは今年の最重要案件としてフォローしていきます。日経BPのITマネジメントというサイトの連載コラムでここのところずっとクラウドについて書いているのですが、一度まとまったレポートを自社サイトで公開するかもしれません。

2.ソーシャル・コンピューティングがエンタープライズ分野に普及し始める
 クラウドはどちらかというと過去の考え方の延長線上にあるのに対して、ソーシャルの分野では真のイノベーションが起きていると思います。twitter関連などはまだまだ可能性ありそうですね。また、ソーシャルCRMなどのエンタープライズ系でもいろいろありそうです。ただ、ベンダー側としてはなかなか商売にしにくい分野であるのは確かでしょう。機能的にはオープンソースの組み合わせでだいたい実現できてしまいますし。その意味で、クラウド+エンタープライズ・ソーシャルによるサブスクリプション課金モデルが有望なソリューションになるかもしれません。

TVJPの対応: エンタープライズ・ソーシャルも今年の最重要案件と考えています。これまた、レポートを書いて自社サイトで公開するかもしれません(この領域は書籍化してるとスピード的にまったく追いつけませんので)。

3.スマートフォン市場の再活性化
 2008年度の日本ではiPhoneイマイチでしたがAndoroidの登場により市場が再度活性化されるのではと思います。AndroidとiPhone間の健全な競争により、ますます魅力的なソリューションが出てくることを期待します。パソコンの世界で言えば、PC98でガラパゴス化していた市場に、Macが、そして、DOS/Vが登場したような状況ですね。

TVJPの対応: 実は、この分野はそんなに深く見ているわけではないのですが、クラウド関係の文脈ではフォローしていく予定です。

4.ネット・サービスのマネタイズの動き進行
 誰もが気づいているように、従来型の広告モデルだけに頼った収益化には限界が来ています。マイクロペイメント、そして、ネットならではの斬新な広告モデルが求められています。マイクロペイメントについては今までも何度もトライされていますが、今年こそは成功事例が出てくるかもしれないと思っています。

TVJPの対応: この領域はコンサル案件としてカバーすることが多いので、あまりブログには書かないと思いますが、今年の重要リサーチ案件のひとつです。

5.「放送と通信の融合」における選択肢の模索が続く
 
若者のテレビ離れがいよいよ明らかになってきました。この動きは不可逆的なものだと思っています。単に動画をネットで配信するという以上のビジネスモデルにより注目が集まっていくでしょう。日本の著作権制度をどうすべきかという重要(かつやっかいな)課題もあります。

TVJPの対応: これもコンサル案件としてカバーすることが多い案件なので、基本的な話以外はブログではあまり書かないかもしれません。

6.グリーンITは仮想化などを含めたIT基盤合理化の一環として扱われる
 
2008年はグリーンITもうちょっと流行るかと思いましたがそうでもなかったですね^^; 今後、グリーンITは単独の案件というよりも、IT基盤合理化におけるアジェンダのひとつとして扱われていくと思います。特にデータセンター事業者においては重要差別化要素のひとつでしょう。

TVJPの対応: この領域は当社のコア・コンピタンスのひとつなので変わらず力を入れていきます。

TVJPのその他のお仕事
上記に挙げた以外にも、たとえば、データウェアハウジング、企業パフォーマンス管理等々、新しい話題ではないものの多くの企業にとって依然として重要な案件はカバーしていきます。

知財に関しては、ソフトウェア特許出願代理・先行技術調査、商標出願代理、ライセンス契約・キャラクター戦略のご支援等々、来る仕事は基本的に断らない方針でやっていきたいと思います。

翻訳仕事は現在進行中のもの(割と大物)が3月には出る予定。年内にはもう1本くらいやりたいものです。産業翻訳については、価格競争に陥りたくないので、難度高い案件、納期超厳しい案件に絞ってやっていく予定です。

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