今週はTeradataユーザーグループ主催のイベントであるPARTNERSに出席のため、ラスベガスに来ています。このイベントは、ベンダー主催でもなく、イベント屋さん主催でもなく、ユーザー会主催である点がポイント。ゆえに、ユーザーの生の声による事例が数多く聞けるという点でアナリスト的には貴重な機会です。来場者数は3000名強。Teradataはほぼデータウェアハウス専業ベンダーなので、世界最大のデータウェアハウスのイベントと言ってよいでしょう。
初日のワークショップでは、Teradata社CTOのStephan Brobst氏のデータモデリングのセッションを聞きました。Brobst氏はMITのコンピュータ・サイエンス修士とハーバードMBAという「学歴王」の人。データウェアハウスについてはテクノロジーもマーケットも知り尽くしています。私は定期的にインタビューさせていただいているのですが、明日も単独インタビューさせていただく予定。その内容はITmedia本体に記事として載せる予定ですのでお楽しみに。
セッションの内容は大企業のCTOのセッションにしては異常なほどエンジニア向けのもの。私も勉強させていただきました。Teradataは第3正規形に近い物理スキーマでも安定した性能が出せるのが特徴です。性能向上のために人為的な非正規化をして柔軟性を失うというような事態が最小化されます。"Teradata is not afraid of JOIN"とくり返し言ってましたが、まさにTeradataの特長を表した至言。
もうひとつユーザー事例としてカジノ運営会社のHarrah's社のセッションに出席しました。カジノとデータウェアハウスは結び付きにくいかもしれませんが、実は、Harrah's社のケースはCRMの成功事例として有名です。Harvard Business Reviewにも何回かケーススタディ記事が載っています。
カジノは運任せのビジネスとも言えますが、同時に顧客エクスペリエンスが何よりも大事なビジネスでもあります。Harrah'sはメンバーカードを発行して顧客のゲームの履歴を管理しています。そして、通常のCRMと同様に顧客の生涯価値を最大化する戦略を取っています。
優良顧客が誕生日に来店するとケーキがプレゼントされる等々のよくあるサービスもやっているそうですが、最も興味深いのはオペレーショナルCRMの部分です。
データウェアハウス上のデータとスロットマシンからのデータのリアルタイム分析により優良顧客が大負けしていることが判明するとフロア・マネージャーのディスプレイにアラートが表示されるようになっています。客が負けているのはカジノにとってはある意味うれしいことなのですが、客がやる気をなくして二度とカジノに来なくなってしまったのでは意味がありません。かと言って、スロットマシンを遠隔操作して客に勝たせるのはアメリカでも違法です。
このような場合には、Luck Ambassadorと呼ばれる営業担当者を客の元に送り、無料食事券などのサービスを提供するプロセスになっています。客としては負けているのは同じなのですが、はるかに気持ちよくカジノを去ることができるでしょう。そして、次回も来てくれる可能性が高くなります。ここでのポイントは客がカジノから出てしまう前に対応を取ると言うことです。後になってから郵便で食事券を送ったりするよりもはるかに効果が高いと言えます。
さすがにこのやり方を日本でそのまま取り入れることはできないと思います(パチンコ屋でいきなりバースデイケーキを贈られても困ってしまうでしょう)。しかし、"unhappy customer"をリアルタイム見つけて、できるだけ迅速に対応するという点は、いかなる業種のCRMにおいても参考になるでしょう。
Special
- PR -| daishi | 2008/10/14 23:04 |
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以前、ITproのコラムでも見たのですが、カジノのCRMは「顧客監禁管理」とも言うようなデータ収集を行っているようですね。 出目からボタンを押すスピードまですべて収集している、というのはなかなか無いように思います。 | |
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