「クラウドコンピューティングの市場規模は1600億ドル」の真偽について
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米メリルリンチが「クラウド・コンピューティングの市場機会が2011までに1600億ドルになる」とのレポートを発行したそうです(ソース)。メリルの有料クライアント向けのレポートなので、レポート本体にはアクセスできていませんが、このソースから見ると、950億ドルがSaaS等のビジネス・アプリケーションおよびオンライン・オフィス、650億ドルがオンライン広告という割合だそうです。
数字の規模的にはそんなものだろうなーと思いますが、ここで気をつけないといけないのは、クラウド・コンピューティングの登場により1600億ドルの新たな市場が生まれたというのではないということです。先の内訳を見ればわかるように、従来はSaaS市場とかオンライン広告市場としてカウントしていたものを、クラウド・コンピューティングとしてカウントし直してみると1600億ドルになるよというお話のようです。
一般に、IT業界で新しい動きがあると、このように市場規模のデータが出てくることが多いですが(それ自体は悪いことでない)、たとえば、「xxの市場規模はyy億ドル」という予測が出た時に、「yy億ドルの新規市場が生まれた(と予測される)」と言っているのか、「今まであった市場をxxという範疇で数え直すとyy億ドルになる」と言っているのかを、注意して区別すべきでしょう。
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