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写真家が著作権侵害でNHKを刑事告訴の件

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プロの写真家の人がNHKの放送で自分の写真を勝手に使われた(しかも、ちょっと改変して使われた)ということでNHKを刑事告訴したというニュースがありました(ソース)。

NHKがある会社を取材していた時に、事務所に掲示されていたこの写真家の写真をイメージ映像として放送として使用した点が問題になったということのようです。NHK側は「取材先(会社のこと)の了承を得ていた~」と言っているようですが、写真の物としての所有権と著作権は(著作権買取契約でもしてない限り)別の権利ですから、まったく釈明になっていません。こういう風に所有権と著作権の区別がついてない人って結構いそうな気がします(これについては後日、別エントリーで書きます)。

後で民事訴訟も提起する予定らしいですが、いきなり刑事告訴って、示談交渉の間によほどムカついたことがあったのかもしれませんね(これは私の勝手な想像ですが)。

ところで、たとえば、商店街ででインタビュー映像を撮っている時にバックに流れてる音楽が入ってしまったとします。この映像を放送したり公衆送信したりする場合には音楽の権利者の許諾も必要となります。一般のテレビ局が放送するだけであれば、どっちにしろ包括契約されてますので問題ないでしょうが、ネットで公衆送信する場合等は、音を編集で消すか、別途JASRACとレコード会社の許諾をもらうことが必要になってしまいます。日本の著作権法に完璧に準拠するということはかくも大変なことなのです。

Comment(3)

コメント

匿名希望

最後の段落についてですが、著作権法41条(時事の事件の報道のための利用)が適用されるので、権利処理は不要です。

栗原潔

それは、まさに事件が起きた場所を取材した時にたまたま流れてた音楽とか、その事件に直接関係ある音楽の場合(たとえばあるアーティストが亡くなった時にその人の曲を流す等)の場合では?

急に思い出しましたが、以前良く行ってたライブハウスにNHKの取材が来たことがありました(栗原のイマイチなサックス演奏が全国のお茶の間に流れたよw)。で、一通り撮影が終わった後で、店に飾ってあったジェームズブラウンをデフォルメした人形をアップで撮ってました(いわゆるヌキというやつですな)。
最終的な番組では、確か冒頭部分でその人形の映像にナレーションかぶせて使ってました。大量生産の人形に著作権が及ぶかは微妙ですが(ファービー事件等)、一品もの粘土作品だったりしたら著作者(店の人ではなく)の許諾が必要だったと思います。そういう感じで、慣習的には著作者の許諾なく映像素材として使うケースは多かったのでしょう。今までは誰も文句を言わなかったので顕在化しなかったですが、著作権法的にはアウトだったのかもしれないですね。

栗原潔

この写真家先生の意見ページが
http://housendo.jp/nhk/
です。正直ちょっと微妙感が。
まあこの事件については、生暖かい目で見守りたいと思います。

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