ウィルス作成者逮捕、ただし容疑は著作権法違反
P2Pで広まるウィルスの作成者が京都府警に逮捕されたそうですが、「日本にはウイルス作成そのものを処罰する法律がないため、府警はアニメ画像を作者に無断でウイルスに使用した著作権法違反容疑を適用し、立件に踏み切った」ということだそうです(ソース)。
もちろん、ウィルス作成に対して何らかの制裁があるべきなのは当然ですが、安易に著作権法を適用してしまうことに違和感を感じます。著作権侵害は普通の日常生活を送っていてもやってしまいがちであるにもかかわらず、刑事罰も適用されますので、警察がその気になればわりと簡単に逮捕できてしまうのですね(もちろん、逮捕状は必要ですが)。
以前、教師が子供の死体写真をネットで公開するという相当に反社会的な事件がありましたが、これも容疑は著作権法違反でした。児童ポルノ法違反には問えないので、他人のスナップ写真を勝手に使ったということで著作権法違反としたようです。もちろん、反社会的にもほどがある行為なので何らかの形で罪に問うのは当然なのですが、著作権法違反以外の方法がなかったのでしょうか?(そもそも、通常は、人のスナップ写真をウェブに載せただけで著作権法違反に問われることはないでしょう)。
著作権侵害を方便として使って反社会的行為をストップできたのだから良いではないか、結果オーライではないかと思われるかもしれないですが、こういう形で著作権法を便利に使えてしまうことで、本来的な法改正(ウィルスの作成自体を犯罪にする、児童の尊厳を著しく損なう画像は児童ポルノと同じとして扱う等々)が後回しになってしまうのではないかと心配です。
ところで、Winny等のP2Pを使わない人々の使わない理由として、違法行為に結びつくからということ以外にウィルスが怖いからというのがあると思うのですが、警察があんまりがんばってWinnyからウィルスがなくなってしまうと、安心してまたユーザーが増えてしまうのではないでしょうか?(ちょっとシニカル)