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キャラクターは著作物ではない(日本では)

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ちょっと前の話題ですが、「国営アミューズメント・パークで、ディズニー模倣 - 中国」 というすごい記事がありました。北京オリンピックも迫っているのに大丈夫なんでしょうか?自分は大陸中国は行ったことないですが、数年前に台湾旅行に行った時には、やはり、かなり微妙なキャラ(「とっとこムハハ太郎」とか)がありました。

中国や台湾の知財法にはそれほど詳しくないのでここでは論じませんが、同じことを日本でやったら著作権権侵害であっと言う間に訴えられてしまうのは言うまでもないでしょう。しかし、「訴えられる」が結論ではあるのですが、事態はそれほど単純ではないのです。なぜならば、日本の現在の著作権法の解釈では、キャラクターそのものは著作物ではないとされているからです。

もちろん、漫画や映画等は著作物なのですが、その登場人物であるキャラクターは抽象的な人物像であり著作物ではないとする最高裁判例があります。では、既存のキャラクターを勝手に模倣しても問題はないかというと当然そんなことはなく、たとえば、ドラえもんに似たキャラクターを作った漫画を描いたとすると、その漫画とオリジナルのドラえもん漫画の間で模倣行為が認められれば、当然に著作権侵害となります。その場合に、オリジナルの権利者側は偽ドラえもんのこのコマとオリジナルドラえもんのこのコマが似ているから模倣だと主張する必要まではなく、偽ドラえもんを見た人が「あー、これはオリジナルドラえもんをマネしたな」と感じるであろうことを主張すれば足ります。

なんかややこしい話ですが、要は、キャラクター自体は著作物ではなくても、勝手に既存のキャラクターを模倣して漫画を描いたり、ぬいぐるみを作ったりすれば、間接的に著作権侵害となるということです。

ところが必ずしもそうとも言えないケースもあります。有名なファービー事件というのがあります。ファービーに似たポーピィというぬいぐるみを日本で販売していたメーカーを、米国のファービーのメーカーが著作権侵害で刑事告訴した事件なんですが、ファービー人形のように大量生産される商品は著作物ではない(本来、意匠権で保護されるものである)として訴えを認めませんでした。ファービーには元となる漫画等がないので間接的に著作権侵害という理論構成が取れなかったということだと思います。また、民事の損害賠償ではなく、刑事訴訟なので厳密に解釈したという話もあります(注:一般に刑事事件の法解釈では類推解釈が認められません)が、ちょっと疑問が残る判決という気もします。地裁判決なので今後どうなるかわかりませんが。

そういうことで、キャラクターを勝手に模倣すると著作権侵害になるというのは自明のことのように思えますが、現在の日本の法制度と解釈では実はそう自明でもなく、背景にいろいろとややこしいお話しがあるということです。

Comment(1)

コメント

一言だけ

議論を複雑にしているのは、単に「キャラクター」という言葉の捉え方の違いでしょうね。裁判所は「キャラクター」とは、「人物像」と捉え、キャラクタービジネスの「キャラクター」とは、絵柄を伴うものと捉えられているので、それが著作権法の保護対象になるか結論が変わるのです。

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