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サーバ型放送計画暗礁乗り上げについて

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NHKが計画していたサーバ型放送の実用化に向けた動きが停滞しているという日経ITProの記事(というか日経ニューメディア誌の記事へのポインター)。日経ニューメディアは購読してないので詳細不明ですが、これは、まあ十分予測されていたことです。

ここで、「サーバ型放送」という言葉について誤解のないように説明しておきます。よく勘違いされますが(と言うか自分も以前は勘違いしていましたが)「サーバ型放送」とはビデオ・オン・デマンド(VOD)のことではありません。ここでいう「サーバ」とは「ホーム・サーバ」のことなのです。放送局側からコントロールされてるブラックボックスのHDDレコーダーのようなものです(参照)。

録画したいならば普通のHDDレコーダーで録画すればよいし、蓄積画像を観たいのであればネット上のVoD(Gyao等)やYouTubeのようなサービスを使えばよいということで、なぜ専用機が必要なのかよくわかりません。まあ、現時点では、ほとんどの家庭においてHD映像をストリーミングで観るのはちょっとつらいので、夜中にゆっくりダウンロードしておいて後で観るというような短期的解決策としては有効かもしれませんが。

要は、利用者側の利便性ではなく、コンテンツを自分のコントロール下に囲い込んでおきたいという放送局側の都合が結集したテクノロジーのように思えます。この手の問題だと歯に衣着せぬ発言をする池田信夫氏のブログ・エントリーも参照してください。

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