酢を飲むとサッカーが強くなる?:相関関係と因果関係再び
タイムリーでないにもほどがありますが、この前のワールドカップの時に出されたミツカン酢のプレスリリース(?)です。ベスト8進出国は、ほとんどがお酢の消費量が多い国だそうです。
これって単に欧州諸国は伝統的にお酢の消費量が多い、かつ、欧州諸国は伝統的にサッカーが強いというだけの話ではないでしょうか?相関関係があるから因果関係があるとは限らない、もっと詳しく言うとA→B、A→Cという因果関係があるとすると、BとCには相関関係はあっても因果関係があるとは限らないというお話しです。要するにお酢を飲めばサッカーがうまくなるかというとそれはないでしょう。
まあ、このプレスリリース(というよりもネタ?)自体、科学的な調査結果としてではなく、半分冗談ぽく日本代表もお酢を取ればもっとスタミナが出せたかもしれないと結んでいますので、目くじらを立てる必要はないと思います。お酢が体に良いのは確かですし(自分も毎晩飲んでます)。
どっちかというと問題なのは、猪口少子化男女共同参画担当大臣が以前のエントリーでも触れた「女性の社会進出と出生率には相関関係がある。だから、女性が社会進出すれば少子化問題が解決できる。」という主張をまだ繰り返していることです(参照記事)。榊原英資氏に「相関関係があるから因果関係があるとは限らない」とか突っ込まれてたのは無視でしょうか?
もちろん、両社に因果関係がある可能性はあります。しかし、よりありそうなシナリオは、住宅コストが安いとか、サービス残業しなくて済むとか、保育施設が充実してるとか国が真の意味で豊かであれば、女性の社会進出も進むし、出生率も上がるということだと思います。要するに上の例で言うと、A=真の意味の豊かさ、B=女性の社会進出、C=出生率であり、A→B、A→Cの因果関係はあっても、BとCに因果関係があるとは限らないとことではないでしょうか?もちろん、女性の社会進出を進めること自体は良いことだと思いますが、少子化対策とむりやり結びつけるのはどんなものかと思います。