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Googleのあれやこれや

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投稿の間があいてしまってどうもすみません。

先日、サンノゼに行ったついでに、インフォテリアUSAの江島さんと会って四方山話をしてきました。やはり、シリコンバレーのベンチャー企業界隈はGoogleを中心に回っているようです。どんな議論をしても親GoogleかアンチGoogleかに二分されて、話が進んでいくようです。過去におけるマイクロソフトみたいな位置づけということなんでしょうね。

昨日は、ICPF(情報政策通信フォーラム(会長:西和彦))が主催するセミナーでGoogle Japan村上社長の話を聞いてきました。満員札止めでフォーラム始まって以来のにぎわいだったようです。

話の内容的は既知のことがほとんどでしたが、新しい話としてAdSense for Magazineというサービスを試験的に開始したというのがありました。これは、雑誌広告の余りスペースにAdSense的にコンテンツ連動広告を提供するというものです。同じ考え方でAdSense for Radioというのも試験運用しているようです。コンテンツ連動とすることで広告の効果を高める、および、代理店経由の大手顧客ではなくロングテールを狙うというAdSenseの本質を他のメディアにも適用したということでしょう。しかし、雑誌にしろラジオにしろあらかじめコンテンツはおおまかに決まっており、それに合わせて広告を取ってくる仕組みになっているわけでありネットほど動的にコンテンツが決まるわけではないですから、どの程度効果があるのかはちょっと疑問です。まあ、何事も実験と言うことです。

質問タイムで、ダメモトとは思いつつ、「ソフトウェア特許については単に防衛的出願なのか、積極的に権利行使していくつもりなのか?」と聞いてみました。村上社長のお答えは「知らない」というものでした(予想通り)。ただ、答えが「お答えできない」ではなく「知らない」であったことは意味があります。特許戦略はM&Aと同じく、コーポレートのかなり上の方(社長直属)のファンクションであることが多いですが、Googleも例外ではないということでしょう。

司会の池田信夫先生の「ロングテールの広告は広告ではなく『狭告』ではないか」との発言(ジョーク)になるほどと思いました(機会があれば自分の話でも引用してみようっと)。

また、村上社長は今後も基本的な収益モデルは広告だとおっしゃっていましたが、米国の木曜日付でGoogle Checkout(決済システム)を発表してますね。

自分はそれほど極端なGoogle賞賛派ではないですが、やはり当面はGoogleから目が離せないのは確かなようです。

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