再びGoogleの企業価値について
池田信夫氏のブログで再度Googleの企業価値と成長性について分析しています。結論は、成長は現状の3倍くらいまでで頭打ち、確かに利益率はすばらしいが、現状の時価総額は高過ぎではというものです。
確かに、1)広告市場はゼロサムゲーム、2)Googleの収益源は今後も広告モデルに依存、3)ネット広告市場では一企業による独占はない、という3つの仮定に基づけば、正しい見通しのように思えます。しかし、この3つの仮定が本当に成り立つのかという点は考えてみる必要があるかと思います。
まず、従来型の広告ビジネスがGDPの1%強の市場規模の成熟市場であることは確かだと思います。しかし、AdSenseに代表されるロングテール指向の広告ビジネスであれば、今までの広告代理店経由の広告ビジネスの範囲外であった小規模企業や個人事業者などの顧客層が取り込まれてくる可能性は十分あります。つまり、Googleは広告市場を再定義していると言えるわけであり、そうなると全体のパイももう少し増える可能性もあるのではと思います。
第二に、Googleが少額決済のビジネスに乗り出していることは周知であり、今後、同社の広告料収益モデルへの依存度が下がってくることが考えられます。そもそも、Web 2.0=広告料収益モデルのような議論がされることがありますが、それは、広告料収益モデルが利用者の抵抗が最も小さい少額課金モデルだからなのであって、未来永劫に広告料収益モデルがWebコンテンツ系企業の唯一の選択肢であるということはないでしょう。
第三に、この前も書いたように、GoogleがAdSense回りの基本的なソフトウェア特許を押さえれば他社を排除した独占的ビジネスを実施できる可能性があります。
ということで、定性的に考えれば、現状の3倍で頭打ちということはないのではと思うわけです。では、定量的にはどこまでいくのかというと、今ちょっと計算している時間がありません。どなたか分析してくれる方はいないでしょうか?(他人任せでスミマセン)