栗原潔のテクノロジー時評Ver2:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 栗原潔のテクノロジー時評Ver2

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もう多くの人が気づいていると思いますが、今のITの世界では「サービス」という意味があまりに多くの意味に使われていて混乱を招いていると思います。

昨日のエントリーのコメントでもちょっと触れましたが、「ソフトウェアXXXをサービスとして提供する」と言った場合に、文脈から判断しないと、ビジネス・プロセスの部品(要するに、SOAで言うところのサービス)として提供すると言っているのか、一括販売ではなくサブスクリプション・モデルで提供する(要するに、ASPで言うところのサービス)と言っているのかよくわかりませんよね(ひょっとすると両方を意味して言っているのかもしれないですし)。

#また、和製英語としてタダで提供することをサービスすると言ったりしますが、またこれは別のお話。

"service"という言葉は、「人に対して何かをしてあげること」という非常に広い意味の言葉なので、多くの関係してはいるが異なる意味で使われてしまっており、特に初心者にとっては混乱の種になってると思います。「サービス」と言う言葉を使う時には、

1.役務の提供としてのサービス(SI、コンサルティング、保守等々)

2.SOAにおけるサービス(ビジネス・プロセス部品)

3.ASPにおけるサービス(サブスクリプション・モデル、従量制課金)

4.和製英語としてのサービス(無料にしてあげること)

5.OS等のシステム・ソフトが提供する機能という意味のサービス

(他にもあるかな?)

のどれなのかを当事者でちゃんと合意しておかないと、「なんか話が通じないなー」ということになりかねないと思います。

栗原 潔

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コメント
livinginabox 2005/07/20 12:11

前エントリーのコメントでは、「出来上がった」ソフトウェアに対して、(お客様のために)「作り上げる」サービスという意味(つまり、1.)で使いました。"byIBM"も、この意味だと思います。

zaxx 2005/07/20 13:21

学生時代(10年以上前)の先輩・先生はアカデミックな発想を持っていてソフトを金で買うのはナンセンスだと言ってました。OpenSourceの奔流は学校的文化から発生していると思いつつ、米ではIT企業の研究部門の成果をOpenSourceとしてアカデミックに公開しているようです。日本はどうでしょう?
iPodの成功モデル・ビジネスモデルをそのまま真似して製品化できない日本の風土とProgramming言語≒英語という強引な真理から文化として根ざしていないIT産業はアカデミックな作業を放棄してませんか?

zaxx 2005/07/20 13:22

一般的な産業では付加価値をサービスと呼ぶことがあるようです。

zaxx 2005/07/20 13:26

ついでにSOAについてコメントさせてください。

ミニマムな意味でのSOA=共通関数の定義

を作りこむ場合、バージョンアップとインスタンスの問題があります。実際にそのような要件のあるプロジェクトを見たことがあるのですが、現実解として(手動の)ブランチでソースを共有しつつ、ERを協調可能な設計にして、それぞれがDB接続を持つ形になってました。
なので、SOAという売り文句はスルーしている今日このごろです。

livinginabox 2005/07/20 19:04

(オープンソースに限らず)企業がアカデミックに貢献するのは、その企業の評価のひとつになると思います。企業から見れば、学校も世に出て役立つ教育をしろよ、とか色々言い分はあるでしょうが。:-)
ちなみに、私は誰かにオープンソースを“強制”しようとは思いませんが、そういうからには zaxx さんはオープンソース文化に“貢献”している方なんですよね :-) オープンソース振興というなら、企業にオープンソース公開を“求める”だけでなく、まず自らが貢献する意識が大切ですよね。たとえば、ちょっと古い情報ですが Firefox の国際化対応に協力している開発者は2人しかいないのだとか(増えてるのかな)。
→ http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2004/11/04/5264.html
オープンソースを“他の人が作ってくれる無料ソフト”と思って利用者になろうとする人ばかりという状況は、オープンソース文化にとって不幸でしょう。

SOU 2005/07/20 21:19

IBMって会社は凄いなー、「e-Business」の次は「サービス」って言葉で我々を混乱させようとしている。こんな広義な言葉をあっさりと使ってしまって。:-) 

livinginabox 2005/07/20 21:43

勘ぐりすぎでは?
そもそも「対ソフトウェア」という文脈で、サービスという言葉からサブスクリプションモデルを想像する人はあまりいないと思います。

栗原 潔 2005/07/20 22:41

>>SOUさん
まあ、サービスという言葉の用法が多様すぎて混乱してるというのはは別にIBMに限った話ではなくて、業界全体の問題だと思いますので。
>>livinginaboxさん
ちょっと前はサブスクリプション・モデルを説明する時に"software as service"なんて言い方をよくしてました。ということで少なくとも翻訳記事においては、サービス=サブスクリプション(≒ネット経由のレンタル)という意味で使われることも多いかと。

livinginabox 2005/07/20 23:02

いや、もちろん「サービス」という表現が多様性を持っているのは承知です。
「広い意味」では、売り切ってしまうソフトウェアではなく、お客様との関係を持ち続けるサービスという意味で、サブスクリプションも含めてよいかもしれませんが、"byIBM"の文脈が指すサービスが1.ではなくて3.限定ということはないんじゃないかと。:-)

Manabu 2005/07/21 23:58

1. "Service"が欧米文化の英語表現としての意味を持っていること
2. 「サービス」として日本独自の意味が一般化していること
という状況ですら混乱しているところに、
3. "Service"という英語表現をシステムの特徴や考え方として取り入れた

ということで混乱してるんだと思うのです。

日常語でもなかった"Daemon"とか他の専門用語に機能との関連付けのブレが少ないことなどからもそう言えるんじゃないかと。(わたしだけ?)

専門用語と日常用語が隣接しているときは特に難しいですね。

意味はどうでもよくて流行語として使ってるだけなら別ですけど :-P

soda 2005/07/31 04:40

> 米ではIT企業の研究部門の成果をOpenSourceとしてアカデミックに公開して
> いるようです。日本はどうでしょう?

一般の方はご存知ないかもしれませんが、かなり公開されてますよ。
たとえば、Linux を含む UNIX 系 OS では、X Window System という
ウィンドウシステムが使われています。X は、Linux が生まれるよりも
前から存在するオープンソースソフトウェアなんですが、この中には
日本企業の寄付したコードもかなり入っています。このコードは、
Linux でも、また日本以外の国でも、当然利用されているわけです。
たぶん、日本でUNIX 関係の製品を開発していたほとんどの大企業は、
X に限らず、おおかれ少なかれ、オープンソースソフトウェアを
公開したことがあるのでは?
また NetBSD というオープンソースの OS の場合、直接リポジトリの
ソースコードに触れる開発者が200人前後いるんですが、このうち
日本人は40人以上を占め、国別でもアメリカについで2番目に多いと思います。
FreeBSD という OS でも同じくらいの割合だと思います。


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