IT業界にどっぷり浸かって40年以上現役です。温故知新。人にとってITとは何かを問います。

シンクライアントは死んだ

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今日、IT業界の著名なコンサルタントである、日本IBM出身のK社のNさんのオフィスにお邪魔してた。
Nさんが、私の推進しているBiz/Browserの、35ページに及ぶ事例集に興味を持ち、久しぶりに情報交換しましょうということになったからだ。
Kさんは開口一番、「シンクライアントは死んだね」とおっしゃった。
値段が下がらない、家に仕事を持って帰れない、サーバに負荷がかかる、既存パソコンを排除できない、そして不況、を挙げる。その上で、既存のパソコンのセキュリティーレベルを上げれば済むことだと切って捨てる。
私が言ったのではありません、Nさんです。

Comment(17)

コメント

シンクライアントを販売し、シンクライアント大好きで、パソコンが大嫌いな高橋徹です。
 
今日の日経産業に、「シンクライアント急拡大」という記事が載っていて、サーバの性能が急激によくなった結果、価格半分で販売され、この不況の中成長が期待されています。
 
他社製品は知りませんが、サンのシンクライアントも大幅に安くなり、セキュリティは当たり前として、シンクライアントはソフトウェアを更新すれば、ハードウェア自体はとことん使えてエコロジーです。ちなみにサンの社員が使っているシンクライアントはみんな5年以上前のハードですが、すいすい使えてます。サーバを新しくすればいいのです。金額的にも、相取っ替えより、断然安いし。
 
そして、PCだとHDDのための低周波被害が使用者に与える影響もないし、なにしろ音がしないので、とても静かです。ぜひ、サンの(本物の!)シンクライアント、一度は見て下さい。

先週米国で話題になった「SOA is dead」にタイトルが似ていたので思わず見てしまいました。Sunさんの方を持つわけではありませんが、とおるさんのおっしゃる通り、同社のSunRayは山王パークタワーのオフィスで触ってみてとても素敵だと思いましたよ。

どっちかというと、「ニーチェは死んだ」というジョークを思い出しました。

PCであってもWebブラウザによるアプリが主流となっているし、いわゆるシンクライアント端末でも、リッチなUIでパソコンアプリを使えるしで、こだわられているポイントはあまり本質的じゃないと思います。

片貝孝夫

みなさまご意見ありがとうございます。
高橋さんのおっしゃるサンのシンクライアント、是非体験してみたいと思います。高橋さん、機会を作っていただけますか。
坂本さんのおっしゃることは、そのとおりですが、パソコンとしてのフル機能を持ったノートPCが自由に使えないような環境は、角を矯めて牛を殺すの例えどおりの笑い話だと思うのですが。

大人気なく食い下がると、PCもダム端末も両方いいところがあり好きです。Oracle Liteというオフラインで使える小型DBを担当していた時は、電波状態とか気にせずWebアプリまで使えるよさを感じたし、逆にローカルでデータを持つがゆえのデータ整合性確保で苦労する面も体験しました。

データ漏洩が怖いとか不整合が嫌なので、ローカルにデータを持たないNet PCみたいなありかたがいいという意見にも賛同します。

まあ、そういう両方いいところと悪いところがあるのを認めにどっちが死んだとかいうことを人が言っていると自分の責任を負わずに書いているのは無責任じゃないかと思うわけです。

そう、神は死んだ、そしてニーチェも死んだ、というわけです。

片貝孝夫

坂本様。そう冷静に言われてしまいますと、赤面してしまいます。ニーチェも神も死んだのでは意味がありませんので、きちんと使い分けの議論をしないといけませんね。たとえばイントラネットで端末の機種をコントロールでき、当面資金的に余裕がある会社ならシンクライアントにするという選択肢はあるでしょうね。BtoBなどで端末をコントロールできない環境では、通常のPCで考えるしかないでしょうね。
これは質問ですが、米国などではシンクライアントはどう評価されているのですか?ノートPCは当たり前に持ち出して使われていると思うのですが。

片貝孝夫

追伸です。
私はオフィスにすえつけられている端末は、その企業の事情によってPCでもシンクライアントでも選べばいいと思います。ただノートPCの持ち出し禁止は避けるべきだと思います。
仕事のことを寝てもさめても考えている人がいます。そういう一握りの方が会社にイノベーションを起こします。もし社員全員のノートPC持ち出し禁止を決めるならそれはCIOマターではなくCEOマターです。企業の将来を危うくする恐れすらあるあるからです。

hayabusa

池田信夫氏のブログに“ITビジネスが失敗するマーフィーの法則”というものがあり、その中に、
・日経新聞が特集を組み
・野村総研が「2010年には市場が**兆円になる」と予測する
というものがありました。過去のマルチメディアなんかはその代表ですが、なかなか面白い見方
ではないかと感じます。
今回のシンクライアントが、それに当てはまるかどうかは分かりませんが、リッチ(ファット?)かシンかのどちらか一方に決めるのではなく、適材適所に使えば良いというのが基本ではないかと思います。どちらが良いのでしょうかと聞かれることがありますが、社会的ニーズの変化、技術の進歩によってもたらされる様々な環境の変化を考慮しつつ、業界業種、対象業務の内容、および、何を優先するのかによって決めれば良いと答えています。その結果、シンクライアントの全面採用に踏み切り、それをアピールする会社もあるし、然るべき対策を施した上で、従来通りの使い方にするところもあります。このいずれにするかは、既述の通りです。昔流行ったISA(Information System Architecture)なる言葉がありますが、正にこのISAで決めることだと思います。

落ち着いて話せそうでよかったです。
> 米国などではシンクライアントはどう評価されているのですか?ノートPCは当たり前に持ち出して使われていると思うのですが。

確かに、米国でノートPCを持ち出して使う人が多いですね。そういう必要がある人がリスクを自覚してノートPCを持ち出して使うことは否定しません。また、紛失・盗難したPCの情報消去や追跡サービスなどもあります。
そういった紛失・盗難リスク対策を突き詰めていくと、モバイルシンクライアントという解決策が浮かび、実際製品が出ています。モバイルブロードバンドが普及しつつある中、今後モバイルシンクライアントはより現実味を持ち出すと予想しています。


一方、そういう持ち帰り仕事をすべきでないと定義される人も多くいます。定型的な仕事をオフィスでこなすことが求められる人々です。そういう方々は派遣や請負とかの形態も多く、人の入れ替わりも比較的多くあります。そのたびごとに新しい構成のPCを用意するのは大変なので、シンクライアントを使い仕事ごとの構成を仮想化した「定義ファイル」で用意して簡単に用意できるとか、いう形態の方が、管理コストを下げることができます。

かつて、私は、Microsoft Systems Management Server という分散システム集中管理ツールのプロダクトマーケティング責任者をしていました。1995年とか97年ごろ、クライアント・サーバー全盛期の話です。システム管理の問題の解決策として、そういったクライアントPC管理ツールは進化していますが、それと平行して違うアプローチから問題を解決する手段が多様化しています。

教条的に考えるのではなく、多様な現実にあわせて考えることが今求められると思います。

片貝孝夫

ホスト(サーバ)と端末(パソコン)の関係は、比重が左右に振れながら現在に至っていますね。なんらかのインパクトがあって反対に振れる。
今回はセキュリティー問題でサーバ側に振れたと思います。ただこれもデータがサーバにありさえすればいいので、処理そのものはできればクライアント側で実行するほうが自然な負荷分散だと思います。
システムjの構築方法としては、リッチクライアント、RIA、Ajaxなどの技術によって、処理はクライアント、データはサーバが可能になりました。ハードウェアの問題ではなく、どのようにシステムを作るかでセキュアかどうか決まりますね。シンクライアントの場合は、データをクライアントに持ちようがないので、だれが作ってもセキュアになるということでしょうか。
ワークライフバランスは、私も常に意識していることですが、私の場合は9時5時という区切りではなく、自分で遊ぶときと働くときを決めます。夜中でも働きますし、昼間でも遊びます。それが自主的にできて、頭も活性化されるような気がしています。まあそんな仕事の仕方が許されている人は少ないでしょうが。
信頼できる社員には(そもそも社員として採用するからには信頼しているからだと思うのですが)ノートPCを持たせるのは、経営者なら、そう判断すると思います。君を信用しているから、存分に働いてくれたまえ、と。派遣や契約は仕方がないですね。坂本さんのおっしゃるとおりだと思います。

池田 実

遠隔で処理して、クライアントはシンというのは、モデルとしてはすごく面白いし、クラウドなど今後の展開としても非常に興味あると思います。でも、日常的なPCの利用やノートPCなどの利用ではあまりにコストがかかり過ぎて、普及は難しいのではないでしょうか?弊社ではそうした観点から、利用する道具はシック(PC)のまま、シンの環境を提供しています。ご興味ある方はアクセスしてください。試用版も出しています。小さなチャレンジですが日本発もあるんですよ。
http://www.eugrid.co.jp/

片貝孝夫

池田さん、情報ありがとうございます。いろんな試みがあっていいですね。
シンクライアントユーザから、EXCELをサーバで動かすと、使いにくい点があると伺いましたが、どなたか問題点の指摘なり、解決方法など書いていただけませんか。

ケイ

私の勤めている会社では、試験的にシンクライアントを導入していて、私もこれを割り当てられています。
考え方としては良いかもしれませんが、問題は今の通信速度でしょうか。キータッチした結果がすぐに反映されず、いらいらしたり、誤入力になる危険性さえあります。
たとえばWordの漢字変換のレスポンスが遅いため変換キーを何度か押したり、その結果おかしな変換になったりします。
Wordは誤入力が見えるからまだいいですが、Excelになると悲惨です。エンターキーを押すと次のカラムに移ってしまいますから、レルポンスが遅いと重複入力することもあります。ブラインドタッチなんてとてもできません。データ入力は極めて非効率となります。
今の会社のサーバーは、千葉県にありますので、もしこの回線が不通になったら、会社の業務は臨時休業状態になりかねません。何年か前にNTTの回線が不通になったことがありましたが、このようなときは業務が止まってしまうのは明らかです。

hakosuka

池田さんの会社が開発したeugrid、ホームページを拝見しました。シンクライアントの
発想を柔軟に解釈し、実用的で良いアイデアだと感じました。「日本発もある」という
池田さんのご発言がありましたが、IT自給率を高める意味でも頑張っていただき、
また、注目したいと思った次第です。
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さて、片貝さんが「シンクライアントユーザから、EXCELをサーバで動かすと、使いにくい
点があると伺いましたが、どなたか問題点の指摘なり、解決方法など書いて」ことへの
ご返事です。どの様な点で使いにくいのか分かりませんが、多分、レスポンスの問題
ではないかと思います。

クイライアントからのリクエストを受け、サーバにある該当データを抽出し、それをExcel
で計算させ、結果をクライアントに返すという処理をしている場合ではないでしょうか。
リクエストをしたクライアント側の操作者が、なかなか結果が帰ってこないのでイライラ
したという相談を受けたことがあり、調べたらそうでした。
検索条件にヒットしたデータをサーバ側でExcelで計算させて返そうとすると、サーバの
CPUに負担を掛けますが、一ヶ所だけからのリクエストならともかく、複数の要求が重
なると、CPUがアップアップの状態となり、イライラを引き起こすほどのレスポンスになる
ことは想像できます。
相談を受けた事例では、ベンダはサーバのCPU利用率を見て、より高速なサーバに
入れ替えたそうですが、始業時を過ぎ、各所から多数の処理要求が増えて(重なって)
くると同じことになってしまい、根本的な解決にならなかったとのこと。∞に速いCPU
ならともかく、この様な対処療法では自明な結果だと思いました。
この種のシステムを企画する際には、サーバにはデータの抽出だけをさせ、クライアント側
に送って処理するという方式にしています(私は)。これなら、CPUをブン回す処理でも
クライアント側だけの問題で済み、サーバを使う他のクライアントからのリクエストに影響を
及ぼすことはありません。ISA(情報システム整備規範)で完全なシンクライアントで行く!
と決めたところではレスポンスの悪さとセキュリティの厳格さとのトレードオフで我慢するしか
ありませんが、(私は)性能など、機能を集中させることによるリソースネックになることを回避
するために、上述のような方式で臨んでいます。ご参考になれば幸いです。

banboo

現在会社でシンクライアントを担当しています。ブレードPC方式のシンクライアントを構築し、テスト的に運用しているのですが、やはりEXCELの遅さが問題となっています(コピペを繰り返すと固まるなど)。これはブレードの性能が悪いのか、レスポンスが悪いのか・・・。根本的な解決策を模索中です。ブレードPCの謳い文句は「ファットクライアントと同じように使用できる」だったはずなのに!

片貝孝夫

コンピュータをどう使えば一番効率がいいのか、そういった視点できちんと考えておく必要があると思います。その上で、現在はこういう使い方しかできないので、暫定的にそうそているとするのです。
私は、データはサーバ、処理は手元のパソコンというのが理想形だと思ってます。必要に応じてパソコン側にもデータを持つことで、オフライン処理ができるようにする。
これなら、負荷分散も設計次第ですし、どのような形態の処理にも対応できます。
その上で、セキュリティー上問題があるから、再開発費用が出せないから、処理もデータもすべてサーバでやらせるという選択肢を、現在は選んでいると考えるべきではないでしょうか。

片貝孝夫

banboo様コメントありがとうございます!
EXCELをシンクライアントで使うというのは、いかにも無理がありますね。
EXCELシートをリッチクライアント技術で自動変換してWeb化し、コンプライアンスに耐える仕組みにする試みがあります。
この技術を使えば、EXCEとぼ同等な操作性で
クライアントで操作し、シートの保存先をサーバにすることで、問題解決!となると思うのですが。

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