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プログラミングでメシが食えるか!?

メンバーに仕事を頼むには「じゃあ、俺がやるよ」が効果的?

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昨日のブログにも書きましたが、宮沢さん種田君とラーメン&つけ麺・・・ではなく、ミーティングの合間に話題になったことです。

「メンバーが頑固でねぇ」

当社も宮沢さんの会社KDTSさんも、かなり尖った技術者集団です。KDTSメンバーの方には実は数名しかお会いできていないのですが、宮沢さんの話では相当尖っている人たちばかりだそうです。当社メンバーも、それぞれが得意分野を持ち、やりたいこともある連中が多くいます。実際に技術力もあり、提案力もあるのですが、その分「頑固」です。

頑固な連中に仕事を頼むのは結構大変なのです。たとえば、
「お客さんの希望で、画面の配色をこんなふうにして欲しいのだけど」
と依頼すると、
「そんなダサイ画面にしたくありません。作ってもどうせ没になります」
と拒否されたり、
「昔からあるこのソースを、ちょっとだけ修正して、こんな機能を入れて欲しい」
と依頼すると、
「こんな腐ったソースに手を入れると、まともに動くことを保証できません」
という感じだったり・・・

これをただの我が儘と片付けるのは簡単なのですが、彼らはプロとしてプライドを持っています。わざわざイマイチなものを作ったり、あるいは、良くわからない状態のものをリリースしたくないという、真っ当な理由から拒否しているのです。

それでも仕事としてやらねばならないこともあるわけです。そんなときにどうするか・・・

宮沢さんと私で同じ作戦でした。

「じゃあ、俺がやるよ」

この先のメンバーの反応は若干KDTSさんと当社で違うみたいで、

KDTSさん
・宮沢さんにやらせるなんてとんでもない
 ・恐れ多い
 ・宮沢さんは忙しいので、仕事が遅れてしまう
当社
・小俣にやらせるくらいなら・・・
 ・そもそもできるのかよ?
 ・やっつけ仕事になる
 ・ネットワークもの以外だと今風の技術を知らないし

いずれにしても、親分が「じゃあ、俺がやるよ」というと、メンバーは「親分がやるくらいなら、自分がやる」と思ってくれるようです。

技術者は、たいていの場合、「どうするのが一番良いか」をすぐに見抜きます。たとえば、腐ったソースを何とかするくらいなら、作り直した方が早く安定したものを作れるということなど、プログラマーなら常識です。それでも依頼者は、「せっかくここまでできているのだから」と修正での対応を求めてきます。時間を含めたコストの問題もあるのですが、作り直して本当に良くなるのかどうかも依頼者としては不安なものです。多くの場合は「応急処置」で何とかしのぐという判断になるでしょう。技術者としては応急処置を繰り返す度にますますメンテナンスしにくくなっていくソースから逃げたくなります。

仕事だからと割り切りつつも、できればまともな状態にしたいという、技術者の葛藤を理解してあげることが、まずとても大切だと思っています。その上でプロジェクトの状況を納得してもらい、何とか対応する気になってもらう、というのが通常の流れですが、それでも納得してもらえないときに「じゃあ、俺がやるよ」となるわけです。

宮沢さんも私も、実際にプログラムを作れるのでこの言葉が言えるわけですが、そうでない親分は大変でしょうね。そういう方もたくさん知っていますが、多くの方は「人間性」でメンバーがついていっている感じですね。「じゃあ、俺がやるよ」よりもはるかに大変だと思います。

いずれにしても、
「やれと言ったらやれ!」「業務命令だ!」
これだけは絶対に言わない、というのが私の信念です。私が一番言われたくない言葉ですから。

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