暗記した文章を書き直してみると
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まず、気に入った文章を暗記しようとします。
本書は、学識者や、実際的な問題などおしゃべりの材料にしかならないと考えているような人びとに向かって書いたものではない。この本の中には、深遠な哲学も、深い学識も見いだされないだろう。私は、ただ、常識 ――であってほしいと願っている ――によって示唆された若干の所見をまとめることを目指したにすぎない。
― バートランド・ラッセル 『ラッセル幸福論』
次に、原文を見ずに書いてみます。あまり考えずに、覚えている内容をざっと。記憶力の良い人は、適当に(自分なりの解釈やクセが再現された文章に入り込んでしまう程度に)間隔を空けること。
本書は、学識者や、実際的な問題などおしゃべりの種にしかならないと考えている人に向けて書かれたものではない。本書は、常識 ――であってほしいと筆者が願っているもの―― についての示唆をまとめたものに過ぎない。
このエクササイズをいくつかやって、ハッとしたこと。
- 助詞の使い方などのクセがよく分かる。
- 自分の語彙に置き換えて再現してしまう。原文と照らし合わせることで語彙を増やすことができる。
- 内容的に重複している文章は、修辞に優れていても記憶に残らない(例えば「この本の中には、深遠な哲学も、深い学識も見いだされないだろう」という一文を、まるまる抜かしてしまっている)。
- 自分の文章に対してこれを行えば、無意識の要約マシンとして使えるかもしれない。
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