目標に最適化した行動は、目標達成を阻害する(こともある)。
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ハワード・ベーカー前駐日大使のことばにハッとしました。
政治的なリスクが大きいパナマ返還について、当時の側近らは何度も再考を促した。「大統領選に出るつもりなら、賛成はやめておいた方がいい」というわけだ。私はこう反論した。「大統領選にどのような影響を与えるのかという基準をもってすべての行動を決めるなら、大統領選への出馬以前に私は大きな失敗を犯すだろう」と。
ハワード・ベーカー 『私の履歴書』14 日本経済新聞 2009年1月15日朝刊
「大統領選」を身近な言葉、我々が目標とするような結果指標に置き換えると、さらにハッとするものがあります。
- 売上にどのような影響を与えるのかという基準をもってすべての行動を決めるなら、
売上をあげる前に私は大きな失敗を犯すだろう。 - 利益にどのような影響を与えるのかという基準をもってすべての行動を決めるなら、
利益をあげる前に私は大きな失敗を犯すだろう。 - 昇進にどのような影響を与えるのかという基準をもってすべての行動を決めるなら、
昇進する前に私は大きな失敗を犯すだろう。
そのほか、ブランド・結婚・(安寧な)老後などなど。
ほんらい結果としてついてくるべき(自分ではコントロールできない)ものを目標に据えてしまうリスクを実感できる文章でした。
(演習ネタ:ベーカー氏はどのような行動基準を打ち立てるべきか?)
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