インフレを楽しみに
インフレ懸念が台頭しています。手元の日経新聞(だけでは偏りがありますが)を見てみるとこんな感じ:
「世界的な長短金利差拡大は市場のテーマがサブプライム問題からインフレへ変わったことの表れ」。JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは話す。
― 「マーケットウオッチャー」 日本経済新聞 2008/6/3 朝刊原材料価格が上がっても低賃金労働を動員した加工賃の圧縮で製品への波及を防いできた新興国の「インフレ吸収機能」が臨界に達し、グローバル化が新段階に入った可能性がある。
― 「核心」 日本経済新聞 2008/6/2 朝刊食料品などの値上げが相次いでいるが、まさにデフレから脱しようという瞬間だ。先週の株価や長期金利の上昇は、日本経済の好循環入りの可能性を示唆している
― 「月曜経済観測」 日本経済新聞 2008/6/2 朝刊
そんな中、楽しみに読んでいるさわかみ投信の「さわかみファンド月次報告書」に「そういった展開を楽しみにしています」という言葉を見つけてハッとしました。同社の澤上 篤人代表は、コモディティの価格上昇が消費者に転嫁される過程で、こんなことが起きると解説しています。
最終消費者が価格上昇を「これは生活に必要だから、やむを得ない」と受け入れる分野と、「それなら消費を抑えよう」とする分野で、はっきり違いが出てきます。
― 「さわかみファンド月次報告書」 2008/5/30
前者の分野については、物価の上昇に伴って株価も上昇する可能性が高い。だから楽しみだ、というわけです(正確な表現については原文に当たられたし。半月遅れで公開されます)。
(ここから先は当てずっぽうなので要注意)
最終消費者が、価格上昇を「これは生活に必要だから、やむを得ない」と受け入れる分野はどこか?僕は(というか、僕が予想する日本の最終消費者の大多数は)、「安心」をもたらしてくれる分野かなと思います。
- 食べ物の安心
- 安心できる食物を調達・供給してくれるのは誰か?
- 身体の安心
- 健康な暮らしを支援してくれるのは誰か?
- 生活の安心
- 金融不安・犯罪被害・病気などのリスクに備える支援をしてくれるのは誰か?
- 地球を壊さないという安心
- 持続的に供給可能なエネルギー源を調達・供給してくれるのは誰か?
こんな目線で、インフレ耐性のありそうな企業・業種を探してみようかな。