易経と先行指標
頭の体操にと、毎週挑戦し(ては難しくて投げ)ている「今週の指標」で、ハッとする記事を発見。電気機械の設備投資動向が、他の業種の設備投資動向の先行指標になっていると分析しています。
電気機械は、様々な業種と結びつきがある。化学や窯業土石は、例えば半導体や液晶用ディスプレイといった製品への機能性材料等の供給などでの結びつき、一般機械は、例えば半導体製造装置等産業機械等での結びつきなどがあると考えられる。こうした業種について、電気機械と化学、窯業土石、一般機械との前年同期比の伸び率を法人企業統計季報で時系列推移をみてみると、各業種に対して電気機械が先行している様子がうかがえる(図2)。そこで、相関をとると、化学に対して2四半期、窯業土石に対して1四半期、一般機械に対して1四半期先行しているところで相関が最も高くなった。
― 「設備投資における業種間の関連性」、今週の指標 No.849 (太字は引用者による)
注を見ると、相関係数は0.5から0.6。中程度ながら相関はありそうです。電気機械は化学・窯業土石・一般機械などの業種の川下に位置するので、メカニズムとしては合点がいきますね。
先週、『人生に生かす易経』という記事を読みました。この本の中に、易経は「時」と「兆し」の専門書であるという表現があります。
易経は英語訳では「Book of changes」、直訳すると「変化の書」です。東西の数多くの古典の中にあって易経の一番の特徴といえば、「時」と「兆し」の専門書であるという点です。(p33)
冒頭の記事にハッとしたのも、この本を読んで「兆し」というものについてなんとなく考えていたせいでしょう。
企業の設備投資に業種をまたがる連関があるように、世の中のこともいろいろつながっています。大きなスケールで見れば見えてくる「兆し」も、きっとあるのだろうなあ。