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日々の「ハッ、そうなのか!」を書き留める職遊渾然blog

タスクは、いちどきにひとつ。しかし仕事は、並列で

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とりわけ気が散りやすい人間だと自覚している僕にとって、『ワインバーグの文章読本』は実に励まされる内容でした。これは「文章読本」ではありますが、文章でメシを食うというワーク(&ライフ)スタイルの話も含まれています。少し広げて言えば、仕事のポートフォリオを意識的に組んで生活を送っている人すべてに有益な本だと感じました。

この本では、ネタを拾いながら作品を同時並行的に作っていくことを、石を拾って城壁や家を造るプロセスになぞらえて「自然石構築法」と呼んでいます。石を拾う段階では、それがどの作品のどの部分に収まるのかは、分かりません。

専業ライターは一度にひとつのことだけを書くことはめったにないのだと知っておくといい。

(略)

わたしのようにいくつかのプロジェクトを並行していれば、石を見つけたとき、「よし、これはAの壁にちょうどよさそうだ」と考えたりする。もちろん、その石はAの山に積む。しかし、単にその石が気に入ったから拾ってきたという場合もある。そのときは特にどの壁用と決まっていないXの山に積む。ここの石は気に入ったものばかりなので、何か壁にはめ込むのにちょうどいいおもしろいものや興味をひくものを探して行き詰まったときは、この山をのぞいてみる。

ジェラルド・M・ワインバーグ著/伊豆原 弓訳『ワインバーグの文章読本』 翔泳社 2007年

年末に向けて来年の仕事のポートフォリオを考えていて、GTDでいうところの「プロジェクト」リストの膨大さに圧倒されてしまっていました。仕掛かりばかりじゃないか、オレはなんと中途半端で気の散りやすい人間なんだろう、と……。しかし、この本のおかげで、「いやいや、それでいいのだ!」と、ハッというよりホッと、できました。

ちなみに翁の仕掛かりはこんな感じです。上には上が、いや下には下がかな、よく分かりませんが、いるものだ。

この原稿を含めて、30冊以上の本が完成・未完成のさまざまな段階にある。月刊誌のコラムの未完成原稿が36件、その他の出版物の原稿や出版の予定が決まっていない原稿が27件ある。さらに、具体的な形にならずに頭の中にある断片は膨大な量にのぼる。それらはいつか使うかもしれない。はたまた使わないかもしれない。

(同上)

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