天才にも2種類ある
ネットをスキャンしていたら、"What Kind of Genius Are You?"(あなたはどんな種類の天才?) というタイトルが目に飛び込んできた。またもやDaniel Pinkだ。
Pink氏が引くのは、David Galensonという人の研究成果。オークションに掛けられた絵画の落札価格と、その絵を描いた当時の画家の年齢を、画家毎に分類してみると、大きく2つのパターンが現れるという。
1つは若いうちの作品が最高の評価を受けるパターン(右図1)。もう一つはジワジワと評価が上がり、晩年の作品が最高の評価を受けるパターン。
彼は同様の研究を違った方法で、また違った対象(作家)について行い、芸術家には2通りあるという結論をくだした。すなわちConceptualists(Conceptual Innovators、概念家)と
Experimentalists(Experimental Innovators、実験家)である。
Experimentalistsの例として、マーク・トゥエイン、ポール・セザンヌ、アルフレッド・ヒッチコックなどの名が挙げられている。一般に高いCreativityが必要とされるといわれる芸術家においても、Experimentalな天才 ―改善を重ねて独創に至る人― がいるというのは、20歳代で独創的な成果を出し損ねた僕(やあなた)のような凡人には希望が持てる発見ではないだろうか?
Pink氏はそのあたりも見抜いていて、しっかり釘を刺している。
Of course, not every unaccomplished 65-year-old is some undiscovered experimental innovator. This is a universal theory of creativity, not a Viagra for sagging baby boomer self-esteem. It’s no justification for laziness or procrastination or indifference.
いうまでもなく、いま世に出ていない65歳が全て晩成型の天才だということではない。これは独創性に関する一般的な理論であって、しなびたベビーブーマーの自尊心をシャキッとさせるバイアグラではないのだ。怠惰や先延ばし、あるいは無頓着さが正当化されるわけではない。
記事によれば、セザンヌはこれで完成ということがなく、漸近線を描くかのように修正を続けるのが常であったとか。
(ネタ元)
What Kind of Genius Are You? - Wired