社会人基礎力
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一ヶ月ほど前に経済産業省が「社会人基礎力」なる力を提案していたことを、今ごろ知りました。当オルタナティブ・ブログ金田さんの「社会人の基礎力」も読んだし、その引用元の日経新聞の記事も読んでいたのですが、そのまま読み流していた模様。遅ればせながら、『社会人基礎力に関する研究会「中間とりまとめ」報告書の公表について』から、報告書を読んでみました。
そこでは「社会人基礎力」が下記のように定義されています。
- 前に踏み出す力(アクション)
一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力- 主体性:物事に進んで取り組む力
- 働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
- 実行力:目的を設定し確実に行動する力
- 考え抜く力(シンキング)
疑問を持ち、考え抜く力- 課題発見力:現状分析し目的や課題を明らかにする力
- 計画力:課題解決のプロセスを明らかにし準備する力
- 創造力:新しい価値を生み出す力
- チームで働く力(チームワーク)
多様な人とともに、目標に向けて協力する力- 発信力:自分の意見を分かりやすく伝える力
- 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
- 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
- 情況把握力:自分と周囲との関係性を理解する力
- 規律性:社会のルールや人との約束を守る力
- ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力
フレームワークとしてはいいですね。あとで*ListFreakに加えておこう。
しかし、一読して違和感を感じるのはなぜだろう…と考えた結果、これはいわゆる「仕事力」というやつであって、「社会人の基礎力」と呼ぶには狭すぎるからだということに気がつきました。
社会人基礎力は、個人が社会の中で豊かで充実した人生を送っていくために必要な能力である。(報告書p7)
とありますが、この12の力を全て兼ね備えた人から僕がイメージできるのは「仕事ができる人」、それもクリエイティブな仕事というよりは、いわゆるBusiness Administration系の仕事ができる人であって、必ずしも「社会の中で豊かで充実した人生を送っている人」ではありません。
この12の力から帰納的にタイトルを考えると、「組織として望ましい人材の基礎力」、あるいは単純に「仕事力」という表現がしっくり来ます。
12個の仕事力といえば、リクルートワークス研究所 所長の 大久保 幸夫氏に『仕事のための12の基礎力~「キャリア」と「能力」の育て方~』という著書があります。
- 反応(リアクション)力
- 愛嬌力
- 楽天力
- 目標発見力
- 継続学習力
- 文脈理解力
- 専門構築力
- 人脈開拓力
- 委任力
- 相談(カウンセリング)力
- 教授力
- 仲介調整(コーディネート)力
「力」が定義される背景が同じではないので、両者を比較することは避けますが、このリストは実践的で納得できるものでした。
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