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日々の「ハッ、そうなのか!」を書き留める職遊渾然blog

プロのギャンブラーはカジノで選ぶべきゲームを知っている

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プロフェッショナル・アントレプレナー』の著者、スコット・A・シェーン教授の講演に参加してきました(招待してくれたスカイライト コンサルティング 矢野君に感謝)。

著書でも述べられていたことですが、それでも直接聞いて印象的だったメッセージは下記の2つ。

  1. プロのギャンブラーはカジノで選ぶべきゲームを知っている。
  2. 起業家の役割は過大評価されている。

1.は、勝てる確率はゲームの種類によって違うので、まず勝ちやすいゲームを選びなさいということ。書評のほうで引用しましたが、新興企業が成長する確率は、産業・業界・業態によって数百倍も違うそうです。

そこから2.が導かれます。起業論においては起業家の浪花節的な(←英語だったのでそうは言っていませんでしたが)側面が強調されるきらいがある。しかし、企業の成長により寄与するのは、「誰がやるか」よりも「何をするか」である、ということでした。
「何をするか」とはつまり、成長しやすい産業を選ぶ、産業のタイプや市場のステージに応じた成長戦略を選ぶといった「原則」を忠実に守り、ゲームに勝つ確率を高めることです。

大まかにいって参加者は学生さんと社会人(経営者多し)がいました。会場での質問や個人的に交わした会話からの印象では、教授が挙げている「10の鉄則」というある種のフレームワークにアカデミックな興味を持っている層と、自分の事業に使えるかという興味で話を聞いていた層とに二分されていたようです。

既に走ってしまっている事業は措くとして、新規にやる場合でも『一つ一つの鉄則(レッスン)は「当たり前」だが、全てをこなすことはとてもできない』というのが、経営者の方々の最大公約数的な感想だったと思います。
そういう感想を抱かれるのはよくできたフレームワークの宿命のようなもので、新味が無いとか実務的でないという評価は、教授の意図からするとあたらないでしょう。
このシリーズを出版されいている英治出版の原田社長がおっしゃっていたように、「こういう教科書も必要」です。そして教科書としては少ない量でポイントを抑えた良書だと思います。

そのあたり、斜に構えずに『来年以降の事業計画にも学んだことを反映しなければならないない』と感想を書かれていたのは、講演を聴かれていたデジタルフォレストの猪塚社長。さすが。

(参考)
プロフェッショナルアントレプレナーの講演を聴いた (デジタルフォレスト 猪塚武の社長ブログ)

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