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空中ビジネス総論~Flying domain an Introduction~

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始めまして。ザーズ株式会社の川口健太郎です。

初回ですので、簡単に自己紹介を。僕は、色々な食べ物の匂いが出る、トランプ程の大きさの"ZaaZ one"というマシーンを2009年に発明し、それを次世代販促ツールとして展開している会社の社長です。近年、3Dテレビにエレクトロニクス産業の最新情報がフォーカスされている傾向が見受けられますが、それと同じく、時は2010年。私たちは匂いが出るTVも実現間近な時代に立っています。オルタナティブブログのブロガーとしては、最年少の領域に属しますが、年齢や常識に束縛されることなく、皆様に鮮度の高いオリジナリティ溢れる、世界の最新IT情報/最新経済情報を発信していきたいと思います。詳しくはプロフィール詳細ページ、またはオフィシャルブログ"川口健太郎オフィシャルブログGetZaaZy!"まで。

では、記念すべき一発目の記事ですが、まだ世界でも芽が出始めたばかりの、"空中"にドメインをフォーカスした、空中ビジネスについて論じていきたいと思います。この記事は、2010年1月に提唱した世界に散らばるFrying deviceの情報をひとつの記事に集約し、現状と今後の動向予測をまとめたレポートです。”次なるビジネスのホットドメインは、ソーシャルでもアプリケーションでもない。次に革命を起こすドメイン、それは空中である。”

『空中ビジネス総論~Flying domain an Introduction~』

現在最も注目しているホットドメインのひとつに、空中ビジネスがある。それらの可能性について、またこれまでの空中ビジネス総論を書いてみる。

まず、背景。

僕は、次なるインフラについて、考えていた。例えば乗り物のドメインの進化は、車(150年前)、飛行機(100年前)、ヘリコプター(80年前)、ロケット(50年前)と進化を遂げてきた。新しい乗り物として、セグウェイの登場は記憶に新しいが、既存の乗り物の進化は、数字の部分に大きい。要はスペックの向上である。大量生産をするために、車はシャーシを統一していく傾向に見られ、ボディーのデザインと数字面のスペックの進化が主だと感じる。要はマイナーチェンジではなく、フルモデルチェンジこそが、真のプロダクトの進化ではないだろうか。

既存のビジネスのメインドメインは、陸上である。シンプルにビジネスドメインを分けると、水(海)、陸、空(空中)、宇宙、バーチャル、そして時間軸の領域にセグメント出来る。時間軸を用いたビジネスは、未来的すぎてアインシュタインの世界の話になり、ビジネス構築の現実味が限りなく薄い。人類はこれまで、水、陸など様々な領域でビジネスを生み出してきた。バーチャルの領域は、.com産業やAR(拡張現実)の領域を指す。宇宙の領域は、初期コストからの参入障壁が高く、一般の民間企業は多く参入しにくいのではないかと考える。空(空中)の領域は、飛行機、ヘリコプターなどのおよそ100年前から、著しい市場開拓が起きていない、未だフロンティアの領域(ホットドメイン)である。また、空(空中)にセグメントした空中ビジネスは、何も新たな乗り物のことを指しているのではなく、それらを含めた総称メディアを指している。

新たなイノベーション産業"空中ビジネス"は、近年少しずつ芽を出し始めている。現在の空中ビジネスは、主に風力を動力源にした乗り物とFlying device(端的にはラジコン)が多くを占める。基本的にアメリカ発の傾向が多い。一社目は、Flying carでお馴染み、moller社(http://www.moller.com/)。デザインは非常に格好良い。UFO型のFlying carも作っている。現時点では、Flying car業界の世界最先端企業のひとつである。http://www.youtube.com/watch?v=ElS9BKSsezw

Flying carは、ヘリコプタータイプと飛行機タイプに分かれる。いずれも個人様のタイプのものが多い。上記は飛行機タイプであったが、日本の作ったヘリコプタータイプのFlying carは、GEN Corporation社の一人乗りヘリコプターGEN H-4(http://www.gen-corp.jp/product/categories/p1.html)である。販売価格600万円で、77才の人間が開発した、渾身の一作である。デザイン面は、工業的なカラーで未来的なデザインではないが、それはご愛嬌である。開発者ストーリーは、年齢を超える情熱が生み出したプロダクトであり、感動モノである。http://www.gen-corp.jp/concept/categories/c1.html

次に、ヘリコプタータイプの共通する懸念点である。それは、緊急脱出が非常に困難であると言うことであり、飛行機のように機外へのポップアップが出来ない。それらを考え、飛行面で人的補償面で優位に立ってくるのが、Flying deviceである。市場参入障壁の低い空中ビジネスはFlying deviceだ。

今、最もホットなFlying deviceは、間違いなくParrot社のAR.Drone(http://ardrone2.parrot.com/parrot-ar-drone/en/index.html)である。このFlying deviceは、四方に付いたファンを動力に飛行をするFlying deviceなのだが、ただのラジコンではない。iphoneと連動していて、さらにAR(拡張現実)の技術を搭載、コックピットと腹部分にCCDを合計2機搭載しているため、iphoneの画面を見ると、Flying deviceのコックピットからの映像がリアルタイムで見れるという訳である。また、iphoneの画面からARの技術を組み込んであるため、ヴァーチャル上でレーザーやミサイルを撃つことが出来、2機がヴァーチャル上でリアルシューティングゲームをすることが出来る。このFlying deviceが優れている点の決定打は、UI(使いやすさ)にある。普通のヘリコプターのラジコンは非常に非常に操作が難しい。実際、操作した。このような空間を使ったゲームは苦手ではない質であるが、それにしてもヘリコプターのラジコンは、初心者にはコントロール不可能と言って良いレベルである。何度も言うが、非常に難しい。安定的な離着陸すら、非常に難しいのである。しかし、このFlying deviceは、コンピューター制御でi phoneを傾けるだけで操作が出来る。自動的に地上から一定の高さをキープすることが出来る優れものである。そのためUFOのように空中で真横にスライド飛行することが容易に出来るのである。つまりラジコンの概念を完全に覆したイノベーティブかつ、まったく新たなFlying deviceが誕生したのである。
http://www.youtube.com/watch?v=V3KrFV0-WFw

補足を説明すると、このマシーンはコードがオープンコードになっているため、ソースの進化が加速されることが予想される。また現在このFlying deviceを購入することは少し難しい。何故ならば、このFlying deviceは、現在フェーズ4のプロトタイプ(試作機)であるため、生産ロットが実質的に少ない。そのため、単価が高い。実に一機1200ドル(約10万9800円)という高額なオモチャである。

ここでのポイントは、Flying deviceはオモチャどまりではないと僕は考える。無論、このマシーンのオリジナルは軍事目的として開発されたものが、一般向けプロダクトにフローしていった訳であるが、B2Cではなく、B2Bとしての活用が重要であると考える。上記、このマシーンのムービーを見ていただくと感じていただけると思うが、認知率100%のパーソナルメディアになる要素を持っている。このようなマシーンにひとつ未来技術を組み込み、新たなメディアを作ることが必然となる。これこそが、次世代の空中ビジネスの根幹になるだろう。

未来技術ではないが、B2BのFlying deviceをサービスしている会社は、Draganfly Innovations社(http://www.draganfly.com/)Flying deviceを駆使し、ハイクオリティの空撮をしている会社である。非常に前述のFlying deviceに形が似ている。違うところは、動力源の仕組みである。さすが空撮企業と言える工夫だと思うが、ファンを2重にしている(つまり、ファンを上下水平に1つずつ搭載して、各ファンを逆回転させることで、風圧が相殺され、振動を限りなく0にしている)部分を垣間見ることが出来る。ムービーのクオリティに命を賭ける企業ならではのテクノロジーだ。

世界中のHPを駆け巡ったところ、これらの問題を解決するための情報を仕入れた。軍事利用のためのコンセプトモデルであるが、上記2つのFlying device、冒頭2つのFlying carの特徴やメリットをいいとこ取りしたようなマシーンである。
http://www.tuvie.com/the-ultra-light-mosquito-helicopter-can-go-through-even-caves/
このようなFlying carのマシーン構造の場合、前述のmoller社(http://www.moller.com/)は、マシーンを筐体(ボディー)化する傾向にあるが、このマシーンはノンボディーである。つまりシャーシだけのシンプルかつ機動的なマシーンであり、GEN Corporation社の一人乗りヘリコプターの安全面でネックになっていた、緊急脱出も容易になった他、空中での安定性が、動力が4つに増えたことによってAR.Droneの様に、安定した飛行が出来ると考えられる。

これらのように、現在様々な領域で、空中を媒体にしたビジネスが生まれ始めてきている。空中ビジネスは、未だ未開拓のフロンティアな業界であり、空撮ビジネスなどに代表されるように、空中にセグメントした無人サービス事業は、低資本で参入しやすい参入障壁の低いビジネスである。この領域に既存の様々なビジネスをリンクさせたものが台頭してくる時代になるだろう。そこで最初に出てくるビジネスが広告の分野である。かつて気球や、飛行機雲を使った広告などもあったが、そこまで資本を注ぎ込まなくても、それ以上の効果をもたらすツールが登場してきた時代なのである。これからのホットキーワードは、まさしく空中であり、今後目を離せない最もキャッチーなビジネスドメインになっていくだろう。

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