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エグゼクティブ・リーダーズ・フォーラム

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先日、エグゼクティブ・リーダーズ・フォーラム(ELForum)のコロキアムに招待されて行ってきました。ELForumとは、早稲田大学IT戦略研究所が幹事組織として企画・運営するフォーラムで、上場企業の経営戦略にかかわるエグゼクティブリーダーが会員となり、ITと経営について研究、情報交換、討議等をすることを目的とした組織だそうです。

個人的に、そういったステータス絡みのことには興味が無いのですが、今回は株式会社ライブドアの代表取締役社長である平松庚三氏が「ライブドアの経営を引き受けた理由とその経営哲学」という内容で講演を行うというのに興味を持ったのが参加の理由です。

堀江貴文氏のオーナー企業だと言ってもいいのではないかと思えたライブドアを、あの騒ぎの中で引き受けたその背後ではおそらく相当に大きなギャップがあったはずで、そこで感じたことが話されるのであれば仮にも社長である自身の参考になることがあるかもしれない。そう考えました。

で、結論ですが、実際に話を聞いてみて、確かに参考になることをいくつかでも得ることができました。それと、失礼ながら、あまり期待していなかったのですが、株式会社21の創業者である眼鏡経営塾塾長平本清氏の「21の人事破壊とその経営哲学」は違う意味で面白かったです。こちらは日経BP社のサイトでコラムが連載 <http://premium.nikkeibp.co.jp/retail/column/> されているので、そちらをご覧ください。この面白さは、ちょっと簡単に伝えられそうにありません。^^;

それでは、せっかくですし、論評するようなものでもないので、平松氏の話をメモしたその一部を簡単にでもご紹介しましょう。話を聞きながらの殴り書きなので、ちょっと正確性に欠けるかもしれません。また、固有名詞などの一部は違う言葉で置き換えていますので、ご参考ということでお願いします。おそらく、ビジネスをされている方には既知のことばかりかもしれません。発端は、2006年01月16日に起こった家宅捜査(東京地検がライブドア家宅捜索に着手 証取法違反の疑い)です。

  • 16日に東京地検がライブドアに入った2日後、18日にライブドアファイナンスに呼ばれて「万が一のときには社長になってくれ」と(初めて)言われた。それまで(アクセス権がなかったから)ライブドアファイナンスに入ったことは一度もなかった。24日に社長になった(記事12)が、それから24時間、カメラに追われることになった。
  • ライブドア社内の認識と、外からのライブドアという会社に対する認識のギャップ(の大きさ)を感じた。ガバナンスやコンプライアンスを求められていたのに、それができていなかった。
  • 弥生のときにライブドアのスピードに驚かされた。あるところは課長がいちいち社の決済を得るために持ち帰るが、ライブドアはその日のうちに返ってくる。26歳の係長が、どんどん決めてくる。これは、アメリカの企業よりもはるかに早い。130億という買い物をするのに、上は一切出てこない。堀江とか宮内のデリゲーション(権限委譲)はすごいと感じた。
  • 弥生がライブドアと(同じ建物に)入ったのは、弥生もライブドアと並走すればスピードアップできると考えて、実際にそうなった。
  • ライブドアの経営会議に出たら、デリゲーションなんて行われていないのがわかった。
  • 堀江は、強烈なキャラクターとリーダーシップで会社を強く引っ張る。自分は牛追い型のようなもの。
  • 20人辞めさせて10人採るというのは、血を入れ替えたいから。
  • 私が人を雇うときのクライテリア(基準とか特徴の意)は2つある。ひとつは、その分野においては自分よりも優れていること、ふたつは、必要なときにノーと言ってくれること。
  • なぜ受けたか。それは、自分にもライブドアにも選択肢が無かったから。ヘッドハンティングなら受けなかった。
  • コントローラブルなこととアンコントローラブルなことはきちんと見分けること。アンコントローラブルなことに対しては、次の最善の解を見つけること。
  • ライブドアにはまだ問題はあるが、(人的な)リソースなどは十分にある。無いのは世間の信頼で、この回復に努めたい。

ここでは代表的な部分をご紹介しましたが、生の声で語られる話からは少し深いものを感じることができました。途中、デリゲーションの話の部分では「恋に誤解は付きものだ」という言葉を思い出したり、ふとした言葉に重みを感じたりもしましたが、本当に聞き入っているところはメモしてませんね。

正直、最初に想像していたよりも、このお二方の講演は面白かったし、得るものがありました。いつもこんな感じで企画されているのならすごいかもしれません。

# ただし、プログラム前半の哲学の話は別ですが、、、 /(^^;

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