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生成AIについて思索を巡らし気がついたこと

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ここ2週間ほど、生成AIについて、いろいろと調べ、試し、思索を巡らし、ブログに投稿してきました。その過程で気がついたのは、多くの人たちが、面白がって生成AIでいろいろと遊んでいることです。

役に立つとか立たないとかではなく、新しく、遊び甲斐のある、使い方のよく分からないオモチャが登場し、その遊び方を自ら試し、ああでもない、こうでもないとやっています。そして、新しい遊び方を見つけたら、これを世間に晒し、みんなで大騒ぎしながら、自慢大会をしている。そんなことを世界中でやっている。そんな世界を自分もまた楽しんでいるわけです。

「イノベーション」というのは、こういうところから生まれるのかなぁと、改めて思いました。

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多くの企業では、「イノベーションを起こせ!」的な、業務命令の下、使命感を帯びた人たちが、「新規事業開発」に取り組んでいます。進捗や成果について、常に報告を求められて、必死になって取り組んでいます。試行錯誤も自分の判断ではできず、上司への説明と判断を仰がなくてはなりません。勢いやノリはなく、「わくわく感」や「ドキドキ感」といった楽しさを感じられない。そんなやりかたで、果たして「イノベーション」など、生まれてくるのでしょうか。

カナダの文明批評家でありメディア研究の先駆者であるマーシャル・マクルーハンは、次のように述べています。

われわれはバックミラーを通して現在を見ており、未来に向かって後ろ向きに進んでいる。

私たちは、新しい事態に直面すると、最も近い過去のものごとに執着すると、彼は言っているわけです。まさにその通りで、例えば、「テレワーク」や「オンライン会議」といった表現は、その典型です。そもそも、「ワーク」は出社が常識であり、これとは違うので「テレワーク」、「会議」は、参加者がその場に一同がリアルに会するのが常識であり、これとは違うので「オンライン会議」と呼んでいるわけです。しかし、もはや「ワーク」も「会議」も、どこででもできる時代となり、あえて区別するまでもなく、状況に於いて使い分ければいい時代です。まさに、過去のものごとに執着した表現となっています。

このような区別を意識しなくなったとき、私たちは、「前に向に向かって進む」ことになるのでしょう。

「システム開発」についても同じ話で、クラウド・ネイティブや生成AIを、特別なのだと意識している限り、これからの社会のニーズには応えられません。

例えば、「ウォーターフォール開発とアジャイル開発では、どちらの生産性が高いのか、どう使い分ければいいのか」や「クラウドとオンプレミスはとのように棲み分けるべきか」、「生成AIには置き換えられないプログラミングは、どういうところなのか」などは、「ウォーターフォール開発」、「オンプレミス」、「人間によるコーディング」という「最も近い過去のものごと」に執着した発想です。

「アジャイル開発」、「クラウド・ネイティブ」、「生成AIによるコーディング」が当然であり、前提であるとすれば、このような疑問を持つことなどありません。まさに、「バックミラーを通して現在を見て、未来に向かって後ろ向きに進んでいる」姿そのものです。

バックミラーを見ることから、フロンガラス越しに未来を見て運転できるようになるには、フロントガラスの先にきれいな景色や魅力的な目的地があることに気がつかなくてはなりません。そのためには、業務としての使命感ではなく、面白そうだからやってみようという遊びの感覚が必要です。後ろなんてどうでも良くて、ノリと勢いで時間も忘れるほどに、苦労を苦労と感じず、知恵を絞り工夫をし、新しい遊び方を見つけようとする。そして、その中のいくつかが、他の人に役立つ、あるいは世界を変える何かになるわけで、これこそが、「イノベーション」を生みだす上で、欠かせない要件なのでしょう。

生成AIも、これまでの常識に照らし合わせて、解釈しようとしている人たちが、まだまだ多いのだと思います。私もまた同じです。遊びきれてはいないし、十分に楽しめてもいない。これまでのやり方をどのように改善できるかと考えています。こんな発想から抜けられないからこそ、その価値の本質にも気がつけないのでしょうね。

生成AIを意識することなく当たり前に受け入れたときどうなるのだろうと考えてみる。きっとそういう発想こそが、「前に向に向かって進む」ことであり、イノベーションにささやかながら貢献することなのでしょう。

自己研鑽をみんなで楽しむコミュニティ・MATO塾のご案内

527日(土)10:0012:00 8MATO塾・第3

八ヶ岳で働いて暮らそう!起業・複業の場所としての魅力と八ヶ岳での働き方について

八ヶ岳エリアで働きながら暮らしている実例も紹介し、地域での起業・複業について、その魅力や具体的な働き方についてお話しします。

近年八ヶ岳エリアは移住先として人気になっていますが移住検討者にとって大きな懸念となるのが仕事です。八ヶ岳移住者の働き方の実例を紹介することで移住後の働き方を具体的にイメージすることができます。

また、八ヶ岳で新しい自分に出会うプログラム、「ヤツクル」もご紹介します。ヤツクルは以下のような体験ができます。

  • 日常を離れた八ヶ岳で自分の望むライフスタイルを「振り返る」
  • 新しいライフスタイルを実践し、八ヶ岳で働き暮らす人と「交流する」
  • 豊かな八ヶ岳の自然を利用したリトリート活動を「体験する」

八ヶ岳での自由で創造的なライフスタイルに興味を持っている方、ぜひご参加ください。

講師:玉利 裕重/ヤツナビ 八ヶ岳移住・ワーケーション情報

ワークスタイルが多様化し、働き方の選択肢もまた多様化しています。起業、移住、2拠点生活も、特別な時代ではありませんし、私も含めて、多くの皆さんがこれを実践しています。

でも、いざ自分のこととなると、本当にできるだろうかと不安を感じられる方は少なくないはずです。そんな皆さんの不安を埋めるお手伝いができるのではないかと思います。

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【ご登録ください】LINEの公式アカウント作りました

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【募集開始】次期・ITソリューション塾・第43期(5/17開講)

ChatGPTをはじめとした生成AIの登場により、ここ数ヶ月で、IT界隈の常識が一気に塗り替えられた気がします。スマートフォンの登場により、私たちの日常が大きく変わってしまったことに匹敵する、大きな変化の波が押し寄せているようです。ブロックチェーンやWeb3、メタバースといったテクノロジーと相まって、いま社会は大きく動こうとしています。

ITに関わる仕事をしているならば、このような変化の本質を正しく理解し、自分たちのビジネスに、あるいは、お客様の事業活動に、どのように使っていけばいいのかを語れなくてはなりません。

ITソリューション塾は、そんなITの最新トレンドを体系的に分かりやすくお伝えすることに留まらず、その背景や本質、ビジネスとの関係をわかりやすく解説し、どのように実践につなげればいいのかを考えます。

  • SI事業者/ITベンダー企業にお勤めの皆さん
  • ユーザー企業でIT活用やデジタル戦略に関わる皆さん
  • デジタルを武器に事業の改革や新規開発に取り組もうとされている皆さん
  • IT業界以外から、SI事業者/ITベンダー企業に転職された皆さん
  • デジタル人材/DX人材の育成に関わられる皆さん

そんな皆さんには、きっとお役に立つはずです。

詳しくはこちらをご覧下さい。

  • 期間:2023年5月17日(水)〜最終回7月26日(水) 全10回+特別補講
  • 時間:毎週(原則水曜日・初回のみ木曜日) 18:30-20:30 の2時間
  • 方法:オンライン(Zoom)
  • 費用:90,000円(税込み 99,000円)
  • 内容:
  • デジタル・トランスフォーメーションの本質
  • ソフトウェア化するインフラとクラウド・コンピューティング
  • DXの基盤となるIoT(モノのインターネット)と5G
  • データを価値に変えるAI(人工知能)とデータサイエンス
  • おさえておきたい注目のテクノロジー/Web3と量子コンピューティング
  • 加速するビジネス・スピードに対処する開発と運用
  • デジタル・サービス提供の実践
  • クラウド/DevOps戦略の実践
  • 経営のためのセキュリティの基礎と本質
  • 総括・これからのITビジネス戦略
  • 特別補講 *講師選任中*

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第1回・8MATO塾を開講 4/29 土 10:00-12:00
デジタルとは何か ~ DXを語る前に先ずは「デジタル」の意味を知っておこう 
https://8mato.peatix.com/view
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ITの専門家でなくても分かるように、「デジタルとは何か」を解説します。
デジタル・トランスフォーメーション(DX)、デジタル・ビジネス、デジタル戦略など、「デジタル」という言葉が、世間にあふれています。そんな「デジタル」について、あなたは説明できるでしょうか?デジタルとITの違いや関係についてはどうでしょう。デジタル化とDXとの違いはいかがですか?

・八ヶ岳南麓・標高1000mの森の中にあるコワーキングスペース 8MATOから発信します。できれば、みなさんといろいろと話ができると嬉しいですね。
 https://8mato.biz/
・オンライン(Zoom)デモご参加頂けます。
 zoomのURLは、お申し込み後、改めてメールにてお知らせします。

イベントへの参加費は無料ですが、8MATO会場にてご参加の場合は、施設利用料(2時間:1650円・税込み)を現地にてお支払いください。
お茶やコーヒー、設備や機材は、自由にご利用頂けます。延長でご利用( 追加:1650円・税込み)頂くこともできます。
地元の食材や無添加に拘ったランチも用意しています。

【募集開始】新入社員のための「1日研修/1万円」・最新ITトレンドとソリューション営業

最新ITトレンド研修

社会人として必要なデジタル・リテラシーを手に入れる

ChatGPTなどの生成AIは、ビジネスのあり方を大きく変えようとしています。クラウドはもはや前提となり、ゼロトラスト・セキュリティやサーバーレスを避けることはできません。アジャイル開発やDevOps、マイクロ・サービスやコンテナは、DXとともに当たり前に語られるようになりました。

そんな、いまの常識を知らないままに、現場に放り出され、会話についていけず、自信を無くし、不安をいだいている新入社員も少なくないようです。

そんな彼らに、いまの常識を、体系的にわかりやすく解説し、これから取り組む自分の仕事に自信とやり甲斐を持ってもらおうと、この研修を企画しました。

【前提知識は不要】

ITについての前提知識は不要です。ITベンダー/SI事業者であるかどうかにかかわらず、ユーザー企業の皆様にもご参加頂けます。

ソリューション営業研修

デジタルが前提の社会に対応できる営業の役割や仕事の進め方を学ぶ

コロナ禍をきっかけに、ビジネス環境が大きく変わってしまいました。営業のやり方は、これまでのままでは、うまくいきません。案件のきっかけをつかむには、そして、クローズに持ち込むには、お客様の課題に的確に切り込み、いまの時代にふさわしい解決策を提示し、最適解を教えられる営業になる必要があります。

お客様からの要望や期待に応えて、迅速に対応するだけではなく、お客様の良き相談相手、あるいは教師となって、お客様の要望や期待を引き出すことが、これからの営業に求められる能力です。そんな営業になるための基本を学びます。

新入社員以外のみなさんへ

新入社員以外の若手にも参加してもらいたいと思い、3年目以降の人たちの参加費も低額に抑えました。改めて、いまの自分とこれからを考える機会にして下さい。また、IT業界以外からIT業界へのキャリア転職された方にとってもいいと思います。

人材育成のご担当者様にとっては、研修のノウハウを学ぶ機会となるはずです。教材は全て差し上げますので、自社のプログラムを開発するための参考にしてください。

書籍案内 【図解】コレ一枚でわかる最新ITトレンド 改装新訂4版

ITのいまの常識がこの1冊で手に入る,ロングセラーの最新版

「クラウドとかAIとかだって説明できないのに,メタバースだとかWeb3.0だとか,もう意味がわからない」
「ITの常識力が必要だ! と言われても,どうやって身につければいいの?」
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こんな自分を憂い,何とかしなければと,焦っている方も多いはず。

そんなあなたの不安を解消するために,ITの「時流」と「本質」を1冊にまとめました! 「そもそもデジタル化,DXってどういう意味?」といった基礎の基礎からはじめ,「クラウド」「5G」などもはや知らないでは済まされないトピック,さらには「NFT」「Web3.0」といった最先端の話題までをしっかり解説。また改訂4版では,サイバー攻撃の猛威やリモートワークの拡大に伴い関心が高まる「セキュリティ」について,新たな章を設けわかりやすく解説しています。技術の背景や価値,そのつながりまで,コレ1冊で総づかみ!

【特典1】掲載の図版はすべてPowerPointデータでダウンロード,ロイヤリティフリーで利用できます。社内の企画書やお客様への提案書,研修教材などにご活用ください!

【特典2】本書で扱うには少々専門的な,ITインフラやシステム開発に関わるキーワードについての解説も,PDFでダウンロードできます!

【図解】コレ一枚でわかる最新ITトレンド 改装新訂4版

【図解】コレ一枚でわかる最新ITトレンド 改装新訂4版

2022年10月3日紙版発売
2022年9月30日電子版発売
斎藤昌義 著
A5判/384ページ
定価2,200円(本体2,000円+税10%)
ISBN 978-4-297-13054-1

目次

  • 第1章 コロナ禍が加速した社会の変化とITトレンド
  • 第2章 最新のITトレンドを理解するためのデジタルとITの基本
  • 第3章 ビジネスに変革を迫るデジタル・トランスフォーメーション
  • 第4章 DXを支えるITインフラストラクチャー
  • 第5章 コンピューターの使い方の新しい常識となったクラウド・コンピューティング
  • 第6章 デジタル前提の社会に適応するためのサイバー・セキュリティ
  • 第7章 あらゆるものごとやできごとをデータでつなぐIoTと5G
  • 第8章 複雑化する社会を理解し適応するためのAIとデータ・サイエンス
  • 第9章 圧倒的なスピードが求められる開発と運用
  • 第10章 いま注目しておきたいテクノロジー

神社の杜のワーキング・プレイス 8MATO

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八ヶ岳南麓・山梨県北杜市大泉町、標高1000mの広葉樹の森の中にコワーキングプレイスがオープンしました。WiFiや電源、文房具類など、働くための機材や備品、お茶やコーヒー、お茶菓子などを用意してお待ちしています。

8MATOのご紹介は、こちらをご覧下さい。

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