オルタナティブ・ブログ > ITは心の仕事です >

テクノロジーに心も仕事も奪われそうな日々を綴ります。

Zohoを競合するサービスと比べてみました

»

豊富なバリエーションを取り揃えた総合コラボレーションプラットフォーム、という表現がしっくりとくるZohoについて今日は考えて見たいと思います。

先日のITmediaオルタナティブのミーティングはZohoジャパンの方々をお迎えして執り行われたわけですが、Zohoの現状は以前と比べ物にならないくらい進化している様子。僕が初めてZohoに触れたのはもう三年くらい前だったかな。Googleドキュメントがまだとても使い物にならない代物だった時に代わりのものはないかと探していた時に出会いました。

その時すでにオンラインのオフィススィートとしての完成度は高かったように思いますが、いかんせん動きが重かったのと、Googleアカウントで使えるとはいえやはり切り替えるのが面倒だということでしばらく使わなかったのです。

まさか、Zohoの中の人の話を直接聞く時がくるとは思わなんだ。

そんな思わぬ機会において、中の人から聞いたお話と、改めてZohoを触って見た感想を合わせて、今後のZohoとそれをとりまくクラウドの状況を僕なりの観点からお話ししようと思います。

Zohoの完成度

さて、前置きが校長先生並みに長くなりましたが教頭先生よりは短くまとめることができたと思います。

現時点でのZohoの完成度について見てみようと、改めてアカウントにアクセスし、使ってみました。そこで感じたのがパフォーマンスの向上ですね。以前に使っていたのが3年くらい前だったので当然かも知れませんが、Officeスイートのパフォーマンスは向上していてサクサク使えました。もちろんPCにインストールしたOfficeと比べると多少もたつきますが、ウェブアプリとしては問題ないレベルでしょう。

あと、組織やチームで使うのならばZoho Businessがあれば他のグループウェアいらないですね。Officeドキュメントだけでなくメモ、カレンダーといった必要なツールがひとつの画面で扱えるし、操作もシンプルなんでサイボウズとかもうどうでも良い感じ。この中でもNotebookが地味ながら可能性を感じます。動画やHTMLの挿入ができるのでメンバーで共有するコンテンツを作ることができて便利そう。

無料でここまで使えるんだから中小企業にとっては最初に導入を検討してもいいような出来でしょう。

対抗するクラウドサービスとの比較

次に、Zohoが競合しうるクラウドサービスを見てみましょう。

まずはザッと、比較対象となりそうなサービスを並べてみます。
-Microsoft Office Web Apps | http://p.tl/1IKU
-GoogleApps | http://p.tl/PF6w
-SalesForce | http://www.salesforce.com/jp/
-Cacoo | http://cacoo.com/
-Facebook | http://www.facebook.com/

こんなところでしょうか。

ではここからはそれぞれとの比較を超個人的見地に基づいて書いて行こうと思います。あくまでも独断と偏見ですから何があっても責任は負いません。

■Microsoft(以下略
言わずとしれたMicrosoftOfficeのWeb版です。まず名前が長いというのはマイナスポイントです。ブラウザの表示領域が限られているというのにこの長さはちょっとどうかと思います。

それはさておき、機能についてですが、僕にとって文書作成ソフトは興味がないのでコメントはしません。正規表現で検索できるテキストエディタラブです。

表計算ソフトはZohoがぶっちぎりです。Microsoft重すぎます。あと、Zohoではマクロとピボットテーブルサポートしてるんですが、Microsoft(略ではサポートなし。やる気あるんでしょうか。もともとあなたが作ったんですよ。

プレゼンソフトはどちらも基本的な機能はおさえているので好みで選んで良いと思います。ただし、Microsoft(略は重すぎます。

MicrosoftはHotmailなどとバッチリ連携してシームレスにファイル管理ができたらOfficeファイルの互換性が大きな武器になるんですが、かなり微妙です。そして、とにかく動作が重すぎる。検討する余地なしです。

■GoogleApps
一番まともに競合するのはこのGoogleAppsですね。メールとドキュメントなど他にもいろいろと機能がかぶっています。

ドキュメント系に関してはZohoの完成度は高いです。ユーザーインターフェースがMS Officeの旧バージョンに近いこともあり、すぐに馴染めると思います。

メールについては比べたらいけません。Zohoが悪いんじゃないんです。Googleがぶっちぎりなんです。Zohoのメールは見た目がOutlookExpressに近いし、すぐに使いこなせるよさがあります。そのうえラベル機能もあるのでかなり多様な使い方ができます。

企業で普通の業務に使うならZohoのメールでも十分でしょう。メール容量も1GBありますし。メールボックス1GBって普通に考えたら相当多いですよね。それでも容量が心配な場合はPCでメールを受信して古いアイテムを消すように設定しておけば問題なく使えます。

もしあなたがメール命でメールさえあれば仕事ができて、知らない間にデータ量がGBを超えてしまうようならGoogleAppsのプレミアムにするか、Gmailに年間5ドルの追加容量を加えるといいでしょう。DTP関連の方にもこっちの方がいいでしょうね。

■SalesForce
あの有名なセールスフォースと対抗するのって無理があるんじゃないか、と思った方は落ち着いてひと呼吸してから読み進めてください。

何も全てにおいて対抗し得ると言うつもりはありません。ただ、結構カスタマイズもできて過不足なく使えるCRMツールが格安で使えるのですから、企業によってはセールスフォースよりはるかに魅力的でしょう。いくら機能が良くても使えなきゃ意味がないんだし。

そう言えば、完全無料のSugarCRMなんていうのもありますが、あれを管理し切れる中小企業がどれだけあるかっていう話で。ちなみに僕は挫折しました。

こういう場合の選択には企業の器量が求められますよね。安くあげたはいいけど役に立たなかったらだめだし、高いの導入したらはるかにオーバースペックで無駄なコストを払うのもアレだし。そういった選択肢の一つとしてZohoCRMが並べられるってのはやっぱりすごいことだと思うんですよ。

■Cacoo
Cacooというのはオンラインで使える図面作成ツールでVisioの簡易版のような感じです。複数の人とデータの共有ができたり、画像やPDFにエクスポートできる優れもの。

ZohoにはこれにあたるアプリはないのですがShowを頑張って駆使すれば誰かとイメージを共有するという目的は同等に果たせるかもしれません。といってもかなり頑張らなければいけないので、ゾーホーのなかの人には是非、Visioのクローンを作っていただきたいと願っています。

はい、比較じゃなくて要望ですね。わかってますよ。

■Facebook
最後に持ってきたのはご存知Facebook。トリというかオチというか。。。

Facebookなんて何に使うの?という疑問を持った方、多いでしょ?いや、今日はソーシャルネットワークの話じゃないんですよ。

これね、CRMに使えるんですよ。よく考えてください、お客さんと友達になったら直接メッセージをやりとりできるし、チャットでリアルタイムサポートもできる。そしてそれが自動的にログとして記録されますから。さらに現在、Facebookドメインのメールを付与して、既存のメッセージ機能と統合するというのです。もう、ありとあらゆるメッセージはFacebookで完結しそうですね。

なかなかユーザーが増えないけど。

企業アカウントがつくれないけど。

いつかは競合相手になるくらいユーザーが増えてるはずですよ(棒読み)


おわりに

というわけで、Zohoとその周辺サービスをいくつかみてきましたが、使いようによってはZohoだけでもかなり仕事ができそうですね。GoogleAppsとの連携も日々強化しているのでいいとこ取りをすればそれこそコスト無しで業務が全部できるという企業もたくさんあると思われます。

僕の今後の利用計画としては友達の会社が出店する楽天ショップの管理に使おうと思います。ショップの管理というか、出店参加者のコミュニケーションですね。できれば音声チャットもあると助かるんだけどなぁ。サービス追加してくれませんか?

追伸
一生懸命ゾーホーを褒めたのでなんかください。>Zohoの人

Comment(0)