前回エントリーにて、Exalogicのスゴイ点と課題点を示しました。今回のエントリーでは、そこから一歩踏み込んで、Exalogicが秘める可能性について考えてみます。

おさらいですが、Exalogicとは以下のソリューションになります。

http://www.oracle.com/jp/products/middleware/exalogic/index.html

  • ソフトウェアとハードウェアを一体化 ― Oracle Exalogicは世界でただ1つの統合型クラウドマシンです。サーバー・ハードウェアとミドルウェア・ソフトウェアが、最大限のパフォーマンスを最小限の設定と運用コストで実現できるよう設計されています。
  • 最速のJavaパフォーマンス ― Oracle Exalogicでは、統合されたハードウェアとソフトウェアを、Javaアプリケーションのさまざまなコンポーネントが実質的にゼロコピーI/Oでやりとりできるよう調整しています。その結果、Webリクエストなどのワークロードの処理が12倍にまで向上します。
  • ミッションクリティカルなプライベート・クラウドに最適 ― Oracle Exalogicのインターコネクト・アーキテクチャは、プロセスの確実な分離とクラスタ・ノードのほぼ瞬間的なフェイルオーバーを実現します。そのため、関連性のない複数のアプリケーションを統合し、きわめて高い信頼性と柔軟なキャパシティを確保することができます。

誤解を恐れずに一言で表現するなら、「巨大なメモリ空間を共有できる(拡張性に優れた)オープンなスケールアウト型のアプリサーバを実現するソリューション」ということです。

メインフレームやスケールアップ型のハイエンドサーバでしか実現されてこなかった大量かつ高速なオンライン処理が、スケールアウト型でも対応できるようになったことに大きな意味があります。

多くの企業では、1台のハイエンドサーバで処理しきれない程のオンライントランザクションが発生することは稀ですが、ごく一部では肥大化し続けるリアルタイムのオンライン処理に対応し続けなければならず、オープン系技術者で対応できるスケールアウト型のExalogicは魅力的です。

たとえば・・・・・

大量の顧客からリアルタイムで受注する株式や先物の売買について、あらゆるマーケットからの情報を比較した上、最適価格での約定を超短時間で実現するような処理を行う証券会社なら、Exalogicが持つ広大なメモリ空間と高速I/Oはとても有効です。

大量のトラフィックを処理する通信業者にしても、短時間で最適なルーティングを提供するためにExalogicはベターな選択ですし、サーバ貸しをしているインターネットデータセンター業者(プロバイダなど)は、Exalogic上で数多の仮想サーバを構築し、サーバキャパシティを柔軟に調整しながらサービスを提供できるようになります。

小売業でも、楽天やamazonのような大規模オンラインショッピングサイトを抱えている事業者は、個々の取引それぞれをリアルタイムで分析して、アップセルやクロスセルの提案をすることができるようになるでしょう。もちろん従来のデータウェアハウス(DWH)のソリューションでも実現できていたことですが、Exalogicの利用によって、分析結果のレスポンスと内容の有効性が大きく向上すると思われます。

エンターテイメント系で考えると、発売直後のトラフィックが尋常ではない人気イベントを扱うオンラインチケット業者などにも、先のアップセルやクロスセルの話が当てはまります。

数十万人以上の利用者を抱えるオンラインゲーム業者も、Exalogicの活用によって、ゲームレスポンスもユーザ満足度も低下させることなく、より複雑で高度なゲームプログラムのアップデートが可能になることでしょう。

概して言えるのは、大量のデータをリアルタイムで扱うサービスにExalogicはとても使えるということです。

しかし、ひとつ問題があるとすれば、現時点ではJava環境のみの対応であること。

たしかにJavaはVMを利用することによってプラットフォームを選ばずにアプリケーションを実行できるという素晴らしい利点があるのですが、処理速度の観点で言えば、Javaを上回るプログラムはいくつもあるわけでして、高速かつ大量のリアルタイム処理をセールスポイントとして捉えると、その強みをさらに伸ばす余地があるとも言えます。

また、インターネット上では、Java以外の言語で書かれたサービスも大量に存在しており、そういった既存サービスの移行先プラットフォームとして捉えた際には、他言語への再構築という難行が発生してしまうことも改善余地となります。

これらの課題を乗り越えることができれば、Oracle Exalogic Elastic Cloudは、超大規模のオンライントランザクションプラットフォームで独り勝ちすることもできるでしょう。

NAKA

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中 寛之

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ITIL Managerとして、システムインフラのコンサルティングを中心に、業務領域まで幅広く担当しています。

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