モジュラー型データセンターがいつのまにかプレハブ小屋になっている件
日本に初めてモジュラー型データセンターが上陸したのは2007年11月でした。当時、サンマイクロシステムズが「Project Black Box」という名前でプレス向けイベントを開催しており、グローバル標準のコンテナにぎっしりとサンのサーバが詰め込まれているインパクトのある写真がニュースサイトを席巻しました。
『サン、輸送可能なDC“ブラックボックス”を披露』
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0711/12/news039.html
モジュラー型データセンターの利点は、電気と水とネットワークさえあればミニデータセンターを開設できてしまうところにあると思いがちですが、もうひとつ、グローバル標準のコンテナサイズを維持することにより、船やトレーラーなどの標準的な輸送手段を活用することができる点が挙げられます。だから、海外ベンダーが発表しているモジュラー型データセンターは、ことごとくグローバル標準コンテナサイズになっているのです。
ただし、これはあくまでグローバルでの物流を考慮した話。日本の物流で一般的なコンテナサイズは、じつはもっと小型なんですよね。だから、日本の港湾施設では、世界中から送られてきたコンテナの中身を、いちいち国内標準のコンテナに移し替えるという作業が発生します。
※グローバル標準サイズコンテナでそのまま物流できる仕組みはまだ完備されていないと記憶しています。
だからなのでしょうね、日本SGIが先日発表したモジュラー型データセンターの大きさがプレハブ小屋サイズなのは。
『モジュラー型でクラウド時代の新しいデータセンターの世界を切り拓く』
http://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/a0aa/107037/
といいますか、見た目もプレハブ小屋です。日本国内の物流事情を考慮すると、これはとても理にかなった大きさなのだと思います。
でも、これって裏を返せば、日本国内でしかビジネスをするつもりはないってことでもあるんでしょうね。ちょっともったいないです。