オルタナティブ・ブログ > 情報インフラ24時 眠らないシステム >

「仮想化」をキーワードに情報インフラの世界を考察します。

崩壊寸前の情報商材業界

»

情報商材という言葉にピンと来ない方も多いかもしれませんので、まず最初に情報商材という言葉の認識を合わせておきたいと思います。 Wikipediaに拠れば、「情報商材」とは次のように説明されています。

情報商材(じょうほうしょうざい)とは、 主にインターネットを介して売買される情報のこと。単に情報と呼ぶことも多いが、情報商材はそれ自体に金銭的な価値を設定し、 売買されるものうち「ある目的を達成するための方法」を指すことが多い。

そのため、インターネットを通じて画像や動画、 文章などの著作物をコンピュータのファイルとして売る場合は情報商材とは呼ばないようである。情報商材を販売することを情報販売と呼び、 情報商材の販売を職業として始めることを情報起業と呼ぶ。

情報起業を行う人間を、アントレプレナー(起業家)にちなんで「インフォプレナー」と呼びますが、 この言葉を見かけるようになったのは、私が知る限り、2003年頃からだと記憶しています。

先ほどのWikipediaの続きにも書かれていますが、インフォプレナーの多くは詐欺的な売り込みをすることが多く、 その被害を受けた人々から多くの苦情が上がっているのが現状です。 皆さんもスパムメールなどで一度は次のような文章を見たことがあるのではないでしょうか?


 【その1】誰でも100万円を稼ぐ方法を教えます

 【その2】mixiで稼ぐ方法を教えます

 【その3】1日で確実に30万円を手に入れる方法を教えます


これらの情報が書かれたPDFファイルが、5000円~3万円程度で販売されているのです。しかも、「返金保証付き!」 という言葉を添えられているため、つい購入してしまう人が後を絶たないようですね。ですが、 ここに書かれた情報は購入者に誤認を与える非常に詐欺的な表現になっているのです。実際のところ、上記1~3の情報商材の一部は、 次のような中身で販売されています。※Wikipediaでは次のように表記されています


 【その1-答え】情報商材を売りましょう・ポイントメールに登録

 【その2-答え】足跡・日記・女の画像・ 目立つ名前で宣伝して自サイトに誘導

 【その3-答え】消費者金融で30万円を借りる


購入者にしてみれば、どれも思惑とはまったく異なる答えですよね。

もちろん、こんなことを繰り返している業界は市場に悪影響を与えますから、公的機関が放っておく訳がありません。 インターネットの発展に対応するため、平成11年に特定商取引法が改正されて、 インターネットで通信販売を行うものは販売者情報を公開することが義務付けられています。この中には誇大広告の禁止も含まれているのですが、 前述の通り、情報商材業界は今、誇大広告が蔓延している状態であり、 業界全体が特定商取引法に違反していると見做されても仕方のない状況です。

平成19年の4月、特定商取引法改正は、悪質な住宅リフォーム詐欺に対応する目的で施行されましたが、 同じように情報商材業界が標的になる日はそう遠くないと思います。※経産省が審議しているという話も流れています。

これら状況を踏まえ、情報商材業界も状況改善の道を模索しているようですが、これから先、 どのような道を辿るのかを興味深く観察したいと思います。

Comment(11)