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電子マネー業界を揺さぶる「たばこ自販機成人識別施策」の意外な側面

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学生時代にタバコデビューをする人は実は結構いると思います。昔に比べると少なくなりましたが、それでも街中にはタバコの自販機が溢れているので、その気になれば未成年でも容易に購入できるんですよね。

ですが、そんな社会に一石を投じようと立ち上がった企業があります。先日、「たばこ自販機成人識別施策」に関するプレスリリースがあったのをご存知でしょうか?
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/20061026.html


中心となっているのは日本たばこ協会、NTTドコモなど。

taspo(タスポ)と呼ばれる成人認識システムを自販機と結び、トッパンフォームズが発行するICカードを自販機に読み込ませないと、タバコを購入させないという仕組みということです。イメージとしては、コカコーラ社のシーモを発展させた感じでしょうか。

2008年7月で全国導入完了を目指すそうで、各社とも相当本気の取り組みのようです。そのなかでも、特に私が本気度合いを感じているのはJCB。

プレスリリースには次の下りが書かれています。


「今回使用されるICカードには非接触型を採用し、データセンターと自販機は、無線通信網によって接続されます。また合わせて、株式会社ジェーシービーが提供する「Pidel(ピデル)」という名称の電子マネーも導入されます。電子マネーを搭載したカードとしては国内最大規模の発行枚数を予定しております。」


これまでも電子マネーの世界は競争が激しく、Edy、Suicaの2強と、もうすぐ誕生するセブン&アイのnanacoで電子マネー三国志を演じるものと思っていたのですが、ここにきてなんと、国内最大級の電子マネーカードがもう一つ誕生です。

電子マネー決済で優位に立つことができれば、それだけで莫大な手数料収入が望めますし、ましてJCBにしてみれば、クレジットカードにおけるシェア拡大に絡めることも容易に想像できます。

実はJCBは既にQUICPayというポストペイモデルの小額決済クレジットサービスを提供しており、これを強力に推進していたのですが、今後はtaspoカードと2本柱でプリペイド/ポストペイの戦略に打って出そうです。


ちなみに、JCBの電子マネーはFOMAネットワークを利用するということで、今後はドコモと仲良くやっていくと思うのですが、三井住友のiDやDCMXのような既存の電子マネーに近い金融絡みのサービスをどのように位置づけていくのでしょうね。

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