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明日できることを、あえて今日やる

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「明日できることは今日やるな」という言葉がありますよね。

でも、この言葉、人によって捉え方が結構違うんですよね。例えば、次のようなシチュエーション。最後にAさんが発した台詞はどんなものか考えてください。

Aさん「大変だ、仕事が多すぎて終わらないよ」
Bさん「そんなに大変なの?」
Aさん「週次の会議資料も部長への報告書も終わってないんだ」
Bさん「でも、部長は明日出張だし、今日やらなくても大丈夫でしょ?」
Aさん「あ、そうか。じゃあ今日は・・・・・」

忙しい忙しいと慌てていたAさんですが、実は締切が異なるタスクを抱えていたので、片方をずらすことで仕事の平準化ができるという話です。

仕事の優先順位を考えて作業に取り掛かるのは社会人の基本ですけど、その取り組み方に違いがあるから面白いです。実際、どんな違いがあるのかをちょっとみてみましょう。

まず、【パターンA】

Aさん「じゃあ今日は、さっさと会議資料を作って帰ろう」

今日すべきことが終わったら、さっさと仕事を終えてプライベートを楽しもうという考え方。ここ数年の社会人はプライベートの時間を重視する人が多いですから、多くの人がこの台詞を思い浮かべたと思います。

米国や欧州では仕事とプライベートのメリハリをハッキリさせている人が多いので、外資系の会社では当然の文化になっています。

ついで、【パターンB】

Aさん「じゃあ今日はみっちりと会議資料を作れるな」

与えられた時間をたっぷり使って最高のものを仕上げようという考え方。古き良き(?)日本人といいますか、職人気質やコダワリを持った人に多いのではないかと推測します。

たまに生活残業の方がいるのはご愛嬌でしょうか?

このように仕事への取り組み方が違えば、対応も自ずと変わってくるわけです。仕事の取り組み方は、その人の性格だけから決まるのではなく、置かれている状況の違いによっても変わるでしょう。

仕事の効率性の観点から言えばパターンAの方が望ましいのですが、少しでも品質を高めておきたいという場合は迷わずパターンBを選ぶ、ということはよくある判断だと思います。

さて、ここでもう一つ追加しておきたいパターンがあります。コンサルタントにはこんな考えを持つ人が少なくないです。

おまけで、【パターンC】

Aさん「じゃあ今日は頑張って両方仕上げて、明日は違う仕事に取り掛かかろう」

想定していた締切が先延ばしになったことで生じた時間のゆとりを新しい仕事に回し、ガンガン先に進んでいこうという考え方。仕事のスピードが求められる状況であれば、こんな選択をする人も多少いるはずです。

度が過ぎるとワーカホリックと言われてしまうのに注意です。

この考え方、人によっては考えられない選択肢かもしれません。今までのパターンA、Bとは根本的に考え方異なっています。

(パターンA、B)
 「明日できることは今日やらない」

(パターンC)
 「明日できることを今日やる」

よほどの仕事バカじゃないだろうかと思うかもしれませんが、終電の連続になるくらい忙しい時期なら、意識せずともこの考え方になっていることもあるのではないでしょうか。

私自身は効率的に働くためにもパターンAで考えることが多く、それは多くのコンサルタントもそうだと思っています。

ですが、だからと言ってパターンBやCが必要でないかと言えば、決してそうではないでしょう。パターンAの考え方に固執するあまり、どの仕事の品質がそこそこレベルになってしまうようでは、重要な場面を乗り切ることはできません。

同じように、パターンBの考え方に固執して作業全体の効率性が低下するのは避けなければなりませんし、かといって全部パターンCで考えると仕事一色の人生になってしまいます。

状況に応じて柔軟な考え方をすることが大切なのでしょうね。
要はさじ加減。

※おまけ
 (パターンD)
 「今日できることは今日やらないし明日もやらない」

 
 一部の世界ではこのような考え方がまかり通っているようです・・・

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