オルタナブロガーの吉川さんのところで、デスマーチのコスト負担の話が出ていました。
大量のリソースをつぎ込んで炎上プロジェクトを鎮火させるのはいいが、そこでつぎ込まれたリソースのコストは一体だれが負担しているのか、もしかすると最初から見積もりに入っていたのではないか?という疑問が外から見ると感じられるようです。
結論から言いましょう。ケースバイケースですが、最初から余分に予算を積むことがあります。これを一般的にはコンティンジェンシー予算と呼びますね。
コンティンジェンシーという単語の意味通り、不測の事態に備えて予算を多めに確保するのですが、これがプロジェクトのコスト削減で真っ先に目をつけられるモノであったりもします。
ですが、これを削るとスケジュールに遅延が発生したときに泣きを見るんですよね。多くの場合、SIer側の持ち出しが発生してプロジェクトが赤字になります。もちろん、スケジュール遅延の原因がどちらの非によるか次第で、双方が負担する赤字額は増減しますけど。
ちなみに個人的な意見ですが、無理やりであっても最終的にプロジェクトを終えることができるというのは、ベンダーを選択する大きな基準のひとつだと思います。経営側の視点で考えると、多少出費が増えてもスケジュール通りに事を進めることの方が経営を予測し易いですし、対外的な影響を考えてもメリットは大きいのではないでしょうか。
まあ、そもそも無理のないプランをベンダーとクライアントの双方で握っていれば、こんな事態には発展しないんですがね。最後に苦労するのはいつも現場の人間なので、クライアント及びベンダーの経営層は常に現場の環境を気遣ってほしいと思います。
Special
- PR -| ねこまっしぐら | 2006/06/21 15:13 |
|
素人考えな意見ですが。 | |
| おおやま | 2006/06/21 19:27 |
|
ねこまっしぐらさんの意見は正論ではありますが、現状での業界での人手不足、人件費によるベンダサイドの財務状況の悪化、その他もろもろを考えると、机上の空論にしか過ぎませんね。 現実には受注のために値引き合戦が行われ、結局黒字を出せないプロジェクトを受注しないといけなくなるということにそもそも問題があるわけで。 顧客もこれだけの要員、費用がかかります、納期はどうしてもこうなります、と言っても納得してくれません。 デスマーチは受注の段階、ベンダの要員不足というか経営上の理由で要員を増やしようがないという現実から、最初から定められているのが現場の現実です。 要員をあとから追加しているのは、要員に余裕があるから追加しているのではなくて、別の仕事を本来している人間を納期を守るためにしかたなく廻しているのが現実です。納期を守れないことで損害賠償を請求されることも多いですから。当然廻されたエンジニアが担当しているプロジェクトへの影響も免れません。 ユーザから受注して他のインテグレータなどに製造をまる投げするような、業界慣習もデスマーチの要因になっています。 私はこれまでの経験から、そもそもシステム開発の現場ではマネージメントは不可能だと私は結論づけています。 | |
| NAKA | 2006/06/22 08:37 |
|
皆様、コメントありがとうございます。 いざという時のために余力を残すくらいなら、最初から全力でリソースをつぎ込めという言葉、非常に良く分かります。おそらく、サービスリリースが早ければ早いほど良い、という状況のプロジェクトにはねこまっしぐらさんの仰るとおりだと私も思います。 一方で、本文の最後の方に書いたのですが、「スケジュール通り」にサービスをリリースする必要があるプロジェクトもありますよね。 例えば、財務経理システムのように、期の切り替わりでしかリリースできないシステムの場合、リソースを大量投入して前倒しで構築しても、結局遊休期間が発生してしまいます。 その上、リリース時までベンダーの要員を確保しておかねばなりませんから、余計にコストが発生する可能性もあったりします。一度人員をリリースすると、同じメンバーを再召集するのは不可能というのが実情なので、ベンダーはその条件を断ると思われます。 ベンダーの都合も無視できないというのは、既におおやまさんが述べていることに通じる部分でしょう。 他にも、社外との調整やプレスリリースなどが関係してきても、予定を前倒してリリースすることは難しいようです。
ステークホルダーが非協力的であったり各自の都合しか考えていなかったりということはよくある事ですが、「今、これをやらなければ、これだけの損失やデメリットが発生する」ということを理解してもらえれば、デメリットの大きさ次第で協力的になることもよくあります。 それでも協力を得られないときは、それによって発生する損失を相手に被ってもらうというのはどうですか? | |
| Yoshikawa | 2006/07/04 00:17 |
|
吉川です。 | |
| NAKA | 2006/07/04 02:52 |
|
コメントありがとうございます。吉川さんが関係されているプロジェクトも色々おありのようですね。 これでもプロジェクト管理の方法論は数年前と比べても随分普及してきたように思えます。それも業界の人間が現状に危機感を覚え、PIMBOKをはじめとするプロジェクトに関する考え方を啓蒙してきたからなのでしょう。 きっと数年後にはもっと良い環境になっていると私も信じています。 | |
http://app.blogs.itmedia.co.jp/t/trackback/77444/5033104
- デスマーチのコスト構造。(らびあんろーず)
デスマーチのコストは誰が負担しているのか?という話にもやもやっとしたものを感じていたのですが、すぱーんと答えてくださったのが気持ちよかったので、メモ。 ケースバイケースですが、最初から余分に予算を積むことがあります。これを一般的にはコンティンジェンシー... - デスマーチでは焦頭爛額!?(ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦)
前回のデスマーチのエントリーにはいろいろな方のコメントやトラックバックを頂いた

ストレス社会との付き合い方
「思いやり経営」のススメ
テレワークが労働者のマインドを変える
求む、クックパッド男子
37歳の常識――我々は一生学び続ける