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nanaco/乱立する電子マネー

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電子マネーの世界では既にSuicaとEdyがしのぎを削っていますが、ついにセブン&アイグループが第三勢力として参入してきました。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/mobile/articles/0605/19/news029.html

名前はnanaco(ナナコ)。由来は、会社名の「セブン」の「7」とコインのように使える気軽さを表現したことによるそうですが、私には冷蔵庫に入れるキムコが頭に浮かびました。

主要電子マネーの情報をちょっと整理してみましょう。

【発行枚数】
 Edy:  1540万枚(2006/2/1時点)
 Suica: 1090万枚(2006/2/1時点)
 nanaco: 1000万枚(2006年度内目標)

【利用可能店舗数】
 Edy:  31000店(2006/4/1時点)
 Suica:  4700店(2006/1/1時点)
 nanaco: 12000店(2006年度内目標)
      ※7&Yグループ店舗総数を想定

【利用件数】
 Edy:  40万件(2006/4/1時点)
 Suica: 22万件/日(2006/1/1時点)
 nanaco: 不明

こうやってみると、依然としてEdy陣営の優勢は変わっていないように思えますが、交通系カードには他にも、JR西日本のICOCA(15万枚程度)や、JR東海のTOICA(開発中)があり、これらが相互利用可能になると、Suica陣営の利用店舗は一気に広がることでしょう。

交通系カードにはPASMOというパスネットのFelica版の開発も進んでおり、これが2007年3月に導入されると、関東私鉄20社以上でSuicaが使えることになり、Suica陣営の可能性はEdyを遥かに凌駕することになります。

このような状況でセブン&アイグループは何故独自に電子マネーを導入するのでしょうか?

私が考え付く主要因は、手数料収入です。電子マネーのような少額決済における手数料はかなり大きいんですよね。Edyを例にとれば、決済金額の8%を手数料として徴収するASPがあるくらいです。8%といえば消費税より高いですよ。1億円の決済があるとすれば、そのうち800万円が手数料になるわけです。

加えて、セブン&アイグループの顧客は、プリペイド式決済に対する需要がかなりあるとも思っています。

サンプルが非常に少なくて恐縮ですが、私の周りにいる10人程度の女性に聞いたところ、予算の上限が明確なプリペイド式決済で食費を賄えば、使いすぎることがなくて便利という意見をもらいました。

実際、西友が既に西友ショッピングカードというプリペイドチャージ式の電子マネーを導入していますが、限られた予算で家計をやり繰りする主婦には好評のようです。

ところで、今後の電子マネーを考える上で、おサイフケータイの動向も忘れてはいけません。ドコモ、au、ボーダフォンの主要3キャリア全てで対応機種がリリースされており、利用者数も大幅に増加しているそうです。

ソースは忘れてしまいましたが、「おサイフケータイの端末数はすでに500万台を超えているが利用者はその1%」という記事を見た記憶があります。今は面倒な設定をしないと使えないために利用者が少ないですが、それが改善されれば、利用者が激増する可能性を秘めています。

セブン&アイのnanacoも外部連携を意識しているようですから、今後はおサイフケータイへの対応が望ましいのではないかと思っています。

参考までに、現在おサイフケータイに対応しているプリペイド/ポストペイサービスはこちらで確認できます。
http://bcnranking.jp/feature/04-00007596.html

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