情報格差などがもたらす情報社会の問題について考える

「コミュニケーションの障壁」により命を失うことになりかねない事件

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愛知県西尾市一色町沖の三河湾で3日夜、転覆したプレジャーボートにつかまるなどしていた46~51歳の会社員の聴覚障害を持つ男性4人が救助されるという事件が起きました。

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漂流中の男性により、日本財団が実施している「電話リレーサービス」に「海の上でボートが壊れて動けない」というチャットが入ったのは午後18時53分。

「電話リレーサービス」は、以下のような仕組みで、通訳オペレーターを通して、連絡先とやりとりをする仕組みで、日本財団の厚意によって試行サービスとして提供されています。

しかし、試行サービスが故に、緊急電話は受け付けないルール(詳細はこちらを参照)になっています。

そのため、「電話リレーサービス」の通訳オペレーターからは、一旦はお断りしますとの回答。

しばらくして、その後、「特別対応」という形で、名古屋海上保安部に直接連絡するという形に変更していただきました。

その後は、名古屋海上保安部と、「電話リレーサービス」を介して、船の状況や乗っている人の人数などをやりとりし、スマホのGPS機能と連動したLINEの位置情報を送付し、経度緯度を伝えました。

それが19時10分ごろ。当時、当事者本人は、長時間水中に浸かっていたため、体温が低下していて手がかじかんで、上手く文字を入力できなかったそうです。

その後も、寒さのため、返事をすることができなかったそうです。

名古屋海上保安部は、巡視船を出して捜索にあたり、約4時間後に無事救助されました。

救助に当たった同保安部衣浦海上保安署によると、電話リレーから連絡が入る直前、遭難者の複数の友人から「118」に救助要請が入り、情報が錯綜。友人らも聴覚障がい者で会話が難しく、遭難場所や状況をつかめず、署内は混乱していたという。

海保側は「電話で通報できない人の救助は初めて」と語り、電話リレーサービスが救助に大きく貢献したことが浮き彫りになりました。

時系列にまとめると以下の通りです。

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16時頃 聴覚障害者5名が漂流されたため、岸にいる仲間にSOSの連絡。それを受けて岸の仲間は118番(海上での事件・事故の緊急通報用電話番号)に電話にて救助要請。

17時半頃 プレジャーボートが転覆。うち1名を仲間が水上バイクにて救助。残りの4名の救助は、浅瀬での吸い込みのため難航。

18時頃 海上保安署が救助開始。

19時頃 漂流中のメンバから電話リレーサービスにて海上保安署へ救助要請。漂流位置の特定に苦労する。

23時過ぎ プレジャーボート3名と水上バイク1名の計4人が海上保安署により無事に救助される。

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このように当事者が自ら電話をかけることのできる電話リレーサービスは全てのコミュニケーション機会の公平さを保障する重要な手段です。

現在のサービス提供は24時間ではありません。24時間365日対応はとても重要な課題です!電話リレーサービス事業者のほとんどは、21時で終了してしまいます。

また、緊急電話を可能にするためには、警察や消防署と連携、すなわち、公的サービス化も重要な課題です!

また、現行の試行中の電話リレーサービスは位置関係を伝えるのが困難である課題もあり、今後の改善課題として挙げられています。

2017/6/30まで、24時間365日対応/公的サービス化を要望する署名を集めています。是非ともご協力をよろしくお願いします。

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[Change.org][署名募集]電話リレーサービスの24時間365日対応/公的サービス化で万が一の時も安心に

◆[ご参考] 海で遭難の聴覚障害者、「電話リレーサービス」で救助 (日本財団ニュースより)

※関係者からの情報を元に作成していますが、万が一誤りがありましたら、連絡をいただけると幸いです。

[連絡先] itou -at- infogapbuster.org (-at-を@に置き換えてください)

[修正履歴]

6/10 0:00 当事者本人の証言を元に加筆修正

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