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商社マンの営業として33年間(うち海外生活21年間)、国内外で様々な体験をした。更に、アイデアマラソンのノートには、思いつきを書き続けて27年間、読者の参考になるエピソードや体験がたくさんある。今まで3年半、ITmediaのビジネスコラム「樋口健夫の笑うアイデア動かす発想」で毎週コラムを書き続けてきたが、私の体験や発想をさらに広く提供することが読者の参考になるはずと思い、ブログを開設することにした。一読されれば「読むワクチン」として、効果があるだろう。

緊急ブログ上程 第六弾 「ねむけおばけ」対策 デスクワークでのねむけ防止と予防策

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デスクワークでのねむけ防止と予防策

 かって、商社の現役時代に、関東の電力会社の火力発電所の工事を監督したことがある。

 巨大な火力発電所で3か月ほど仕事をしていて、感心したことがあった。それは火力発電所で働く人たちの、真剣なねむけ対策であった。

 毎日、食事を終えたら、12時40分から13時までは、多くの所員たちが昼寝をするのだった。これはほぼ毎日のことだった。一度、用事があって、この時に電話を掛けて問い合わせをして、大変叱られた。彼らはすごく真剣に午後のねむけ対策を考えて、自分たちの昼休みの中で取っているのだった。

 関東全体の電力を守っていると言えるほどの、巨大な火力発電所の運転の責任は極めて大きい。午後も無数のメーターの監視やチェックや会議が続くが、いねむりは絶対にできないとして、自分の昼休みの時間を割いて、事前のねむけ対策を取っているのだった。

 私はこのことを、自分の会社でも伝えて、デスクワークで眠いという若い人たちに、奨励してきた。昼休みの最後を昼寝の15分にするだけで違ってくる。

 人は、午後3時前後が一番眠くなる。これをいかに乗り越えるかで、きっと仕事の効率は極めて大きく変わってくるはずだ。

 一つ不思議なのは、会社のOAチェアにはオットマン(足置き)が付いていないことだ。背もたれはリクライニングになるのに、足置きが付いていないので、私は昼に、自分のデスクの引き出しを開けてその上に寝たりゴミ箱の上や、飛行機の足元のように、鞄に足を置いて昼寝していた。OAチェアに、オットマンを内蔵させる需要はたくさんあると思う。

 前夜寝不足なら、午後3時前後が眠くなる可能性は極めて大きいが、いくら十分に寝ていても、午後3時前後になると眠くなることも、不思議ではない。面白いのは、仕事のおもしろさや緊迫感から、いくら寝不足でも眠くならないこともあるのだ。

 経理関係の人たちのように、じっとデスクワークで、一日中数字を扱っている人たち、同じような作業にまい進している人たちは、正直のところ「ねむけおばけ」の餌食になっていることも、多いと思う。本人は、本当に辛く思っているが、仮眠や休憩を取る以外に抜本策はない。ぺちゃぺちゃ話をする休憩を取るなら、その時間15分、仮眠をとる方が良い。

 もちろん仕事の内容にもよるが、午後2時45分から15分間を「ねむけおばけ」防止の時間と決めて、みんなで寝るという方法もある。もちろんこれも勤務時間に入るが、いねむりしてだらだらやったり、間違いが起こる可能性がはるかに高くなるよりも、絶対にマシだと思う。

 15分の内で10分でも寝られると、後は2時間程度、頭がはっきりする。15分が半時間以上寝ると、寝たのにかえって疲れがでてしまい、起きられなくなることがある。問題はこの間の電話の掛ってくるのをどうするかであろう。

 全員が一度に昼寝を取れない仕事の場合は、午後2時30分から、15分刻みに3回ていどに分けて取ることも可能だ。さらに、とてもそのような余裕はないという場合、どうしても眠いという人だけは、一度だけ、15分間、カプセル式の睡眠部屋を用意することも、仕事の質を向上させることにはつながる。

 かならず15分で起きることが必要だ。起きたら、顔を洗い、トイレに行き、仕事に戻る。これだけだ。

 カプセル部屋では、カプセルの扉を内側から閉じれば、外の音は遮断できるほどに大きな雑音で消すのだ。私たちがあの雑音の多い電車や飛行機で寝られるのであるから、安定した連続的繰り返し雑音、すなわちエアコンのファンのような音で寝れば良い。そんなうるさいところでは寝られないという人は、当然仕事に戻るのだ。
 
 なぜ雑音でうるさい部屋で寝るかというと、カプセルが多数収納されている部屋に誰が自由に出入りしても、扉を閉める音なども、他の寝ている人を起こさないようにするためだ。

 どのような形で「ねむけおばけ」を退治するかは、各社、各部、仕事の内容によって、異なる。徹底的に調べて、最適な退治方法を考えるのがよいだろう。

 15分を昼寝に使っても、「ねむけおばけ」を退治できて、午後の仕事のクオリティを大きく上げることができれば、私は正しいことだと考えている。

教訓 会社の中でも全員がエキサイティングで、スリリングな仕事をしているわけではない。だけど、眠くなる仕事も、会社の仕事として、非常に重要であり、その仕事のクオリティを上げる対策としては、「ねむけおばけ」退治は面白いと思う。
なお、その他の様々な、個人個別の眠気対策は、下記を見ていただきたい。

樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」
「私は2007年にすでに「仕事中に避けられない『眠気』ー9つのシーンべつ対策」

追加 

世界を揺るがした、

(1)スリーマイル島の原発事故

(2)チェルノブイリの原発事故

(3)スペースシャトルの打ち上げ事故

なども、睡眠不足からの居眠りが原因の一つと言われている。

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