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商社マンの営業として33年間(うち海外生活21年間)、国内外で様々な体験をした。更に、アイデアマラソンのノートには、思いつきを書き続けて27年間、読者の参考になるエピソードや体験がたくさんある。今まで3年半、ITmediaのビジネスコラム「樋口健夫の笑うアイデア動かす発想」で毎週コラムを書き続けてきたが、私の体験や発想をさらに広く提供することが読者の参考になるはずと思い、ブログを開設することにした。一読されれば「読むワクチン」として、効果があるだろう。

緊急ブログ上程 第三弾 「ねむけおばけ」対策 長距離の車の運転は、眠くなるのが当然 その対策とタイミング

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長距離の車の運転は、眠くなるのが当然

 もうこうなれば眠たい対策特集とすることにした。現在、数百万台の車が、列島を渋滞の中を走っている。少しでも事故が減って欲しい。

 第二回目のブログで、バスの運転手の居眠り防止を訴えたが、バスだけが眠くなるのではない。どんな車を誰が運転していても、長距離、夜間、渋滞で眠くなるのは当たり前だ。
 大前提として、長距離を運転すれば、必ず眠くなるのだと認めることではないだろうか。妙に意地をはって、大丈夫とすると、事故の原因になる。
 アブダビでの日本人駐在員が3名亡くなられた車の事故も、トラックに追突されているが、トラックの運転手の前方不注意に居眠り運転が原因かもしれない。
現在、帰省中の何百万台の車の高速道路における帰途、運転している人は、疲れて、眠い。家族はどうどうと大きな口を開けて寝ているが、運転者は無茶苦茶辛い。
考えただけでも、ぞっと寒気がするほど眠い。事故が起こらないはずがない。渋滞している最中では、ノロノロで前の車にコツンとやることもたくさんあるはず。

 居眠り運転には3段階ある。

 第一段階 眠くなる兆候を感じる時間
眠くなる兆候がちらちら現れてくる時だ。まだ、しっかりと目は開いているし、問題はない。運転していると良く分かるが、微かに眠りの種を感じる。ほんの一瞬だが、心の中に、(あれ、眠くなるのかな。ラジオでも、音楽でも掛けようかな。コーヒーでも飲もうかな。次に停車するのはどこかな)と感じる時は、もうこの第一段階に入っている。
これは約10分から20分ほど続く。この段階で、運転している人が、(常に私がやってきたように)
「ちょっと眠気を感じ始めたなあ。どこかで休めるかね」と、高らかに言えば問題はない。
 「ねむけおばけ」は、さっと逃げていなくなる。

高速なら、近くのサービスエリアで停車し、運転交代できるなら、そのタイミングで交代すればよい。交代できない場合でも、運転している以外の人たちが、トイレやサービスセンターで、15分ほど時間を過ごし、その間、運転手は仮眠を取る。15分後に、全員が車に戻り、今度は運転者がトイレに行って、顔を洗って、コーヒーを買って、帰ってきて、運転を再開する。これがマナーだ。
 海外の場合は、現地の人の運転手は、日本人よりも無理をして走り切る傾向がある。それを指導して運転させる必要があるだろう。
 日本国内で、長距離を家族で走る場合には、まずは、車での旅行の予定を、運転する人の調子に合わせることが大前提だ。これを他の家族や、到着後の予定を最優先にすれば、事故が起こる可能性が高くなる。

第二段階 眠気と戦いながらの運転
 居眠り運転の事故が起こる大部分が、この眠気と戦いながら、(心の中では眠ってはいけないと思いつつ)目を必死に開けて、また閉じていく、その繰り返しを何十回とやって、どんどん眠気が強くなっていくのだ。まさに「ねむけおばけ」との戦いだ。

初期
この初期の段階で、さっと、「眠い!どこかに止まるよ」と、宣言し、安全なところに止まれば、問題は回避される。もちろん、停車するにも安全なところを選ぶ必要があるが、運転している者が、
「眠い!どこかで止まるよ」
「停車?とんでもない、止まらずに走れ!」という家族は、まずはよほどでない限りいないだろう。
「わあ、それは大変だ。止まれ、止まれ」と大きく言えば、言っただけで、さっきの「ねむけおばけ」は嘘のように、消えていく。そうして、できればさっきの第一段階の手順と同じで、運転交代するか、運転者が仮眠を取ることになる。
 ほとんどの運転者は、この段階で、「ねむけおばけ」回避行動を取る。それが常識だ。

本格居眠り運転
 初期で回避行動を逸したり、他の全員がぐっすりと寝ていて、起こせない場合、その場の雰囲気が、一時停車を言いだすのが気まずいような場合、この開けたり、閉じたりの瞼が、だんだん閉じたり、閉じたり、そして開けたりになる。 

眠ければ、運転者が「眠い」と、言えばよいじゃないかと、思われるかもしれないが、「ねむけおばけ」に完全に乗り移られてしまう時点がある。そうなると、居眠り運転金縛り状態である。

この状態にはいると、判断と思考が金縛りの状態になっていて、口に出せない状態に陥っている。
 同乗者が、先に熟睡している時には、運転者はやはり眠いものだが、同乗者全員が寝ていれば、車がふらふら運転をしていることに気が付かない。たいてい、この段階で事故が起こることになる。(だいたい、運転者以外の大人が全員寝るのは、運転交代要員でないかぎり、すごく残酷だ)

第三段階 ハンドル上で運転しながら爆睡
これは数分間も継続できない運転であるから、終焉は間違いない。

 さて、上記は、運転している者が、自己申告か宣言で、「眠い!」と言い出すことを期待しての話であるが、第二段階の後期からは、判断が半分マヒして金縛りにあることも説明した。もちろん一人で運転している場合には、自分の判断を信じるしか、方法がない。これには個人差がある。

同乗者がいる場合の「ねむけおばけ」対策
 では、同乗する人たちがいる場合、どうすればよいのだろうか。それは、頻繁に、運転者に眠くないかを尋ねること。面白いことを話したり、議論を吹っ掛けることも良いだろう。笑いが大きな薬だ。一番大切なことは、運転者の眠たくなってきた時の所作を見張ることだ。

 ①問いかけにあいまいな答えをする。
 ②話す言葉に羅列が回らない。
 ③しきりに、ラジオに触ったり、
 ④後頭部を撫でる(私)、
 ⑤頭を掻く(私)、
 ⑥あごを触る
 ⑦窓を開ける、
 ⑧メガネを触る(私)

などの徴候行動を示すことを見張っている必要がある。これらが「ねむけおばけ」が現れているかもしれない徴候群だ。

 私は中近東のサウジアラビアの首都リヤドに駐在していた時、合計4000キロにわたるアラビア半島西部の縦断旅行をしたことがある。また、何度も東部海岸まで家族を載せて運転していた。またヨーロッパでも、英国でもレンタカーを借りて走り回ったが、すべて、もう一人の運転者がいるか、私一人の場合も、上記のような厳密な家族の役割を決めて、安全に眠気を飛ばしながら走っていた。

 当時は小学校の子供たちであったが、私が運転中に、何気なく後頭部に触ったり、頭を掻くと、
「わー、父ちゃん、大変だ。眠いのでは」と、後ろから大声で尋ねることになっていた。家族全員で大声で、歌を唄ったり、家族の誰かが丸暗記している日本の絵本をリサイトさせて、一緒に叫んだりしていた。クールボックスの小型には、冷たくしたタオルが入れてあり、運転手の顔を拭くなどもよい。お菓子を食べることも効果がある。

 しばらく砂漠の横に停車して、豪快にも砂漠に放尿し、小さな魔法瓶の中に入れてきたエスプレソコーヒーを飲む。。眠気飛ばしの飲物や準備を怠らないことも大事だ。
 この徴候行動は、人によって異なる。それを見極めるのが同乗者の義務である。

 こうして、「眠いの、眠いの飛んで行け」とやっていた。こうして家族全員が、生きて帰れたのだ

教訓
 とにかく運転している人が最終の判断をするのが車の運転だ。また、運転している人の眠気を感じ始めた時の、徴候行動をよく見張ることだ。それは「眠くなりました」と行動で自己宣言する辺りを、よく見張って、どんな行動をとるかを知ることだ。この文を、数百万台の車の安全のために、上程する。先祖の霊に会いにいく必要はない。拝めばよいのだ。

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