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ケンブリッジ語録#24 金太郎飴方式で仕事せよ

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僕が勤めるコンサルティング会社、ケンブリッジには、厳しいプロジェクトの現場で生まれてきた「語録」がある。
多くのコンサルタントの琴線に触れ、成長を促すカンフル剤になってきた。現場感がみなぎるエネルギッシュな語録を書き留める。
今回はこれ。

#24.jpg

「金太郎飴方式」で仕事せよ

金太郎飴方式・・・。初めて聞いたのはケンブリッジに入って半年後だった。最初は何言ってんだ??と思った・・・。

必死に資料を作っていた僕と、当時のPMのやりとりがこんな感じ。

PM「どこまで資料出来た?」
私 「3ページ目まで完成しました!」
PM「ほほー・・・ダメだね」
私 「え?一応予定通りですよ?」
PM「・・・4ページ目はどんな状況?」
私 「まだ、手を付けてません。これからですが」
PM「でしょ?思った通りダメだね」
私 「ええ?10ページ中3ページ完成で、進捗率30%。予定通りですってば!!」
PM「それがダメなんだよ。金太郎飴方式って知ってるか?」

・・・このやり取り。ピンと来る人はもう続きは読まなくていい。そうでない人には絶対に先を読んで欲しい。


金太郎飴方式とは何か?

金太郎飴は、どこで切っても金太郎の顔が同じ様に出てくる飴のことである。

金太郎飴.jpg

同じように、仕事でも「頭からお尻までどこで切っても同じ完成度のものが出てくる」ことが大事って意味だ。

例えば、
・10ページの資料つくるのに、3ページまでは100%の完成度です。文書の体裁もカラーリングも整ってます!それ以降は0%ですけど、全体としては30%の完成度です。
(これが先程の僕の状態だ・・・。今考えると恥ずかしい・・・)これはダメ。2ページ目と5ページ目で全く違う完成度のものが出てくるから金太郎飴になってない。


・どのページも、キーメッセージまでは固めてあって30%の完成度です。ストーリーラインは整えました。まぁ詳細はまだですけど・・・。
これは1ページ目も、5ページ目もキーメッセージが整理できた状態で出てくるので金太郎飴方式になっている。

1ページ目を完成させて、さあ2ページ目。ではなく、1ページ目から10ページ目までキーメッセージを整える。次にどんな内容を盛り込むか考える。最後にデータを作りこんで完成度100%にする。というやり方が重要なのだ。これを総じて「金太郎飴方式」と呼んでいる。
資料作りだけじゃない。多くの仕事のスタイルは金太郎飴方式が望ましいのである。

さて、なぜだろう?

・・・理由はいくつもある。


①手戻りが発生しない

1ページ目から順に完成度100%にしていくと、最後まで仕上がらないと上司にレビューしてもらえない。

私「1ページ目できました!」
上司「うーん。1ページだけ見てもね・・・。次のページで何を説明するかにもよるしね・・・全部できたら持ってきて」

一方、1~10ページまで通して完成度30%くらいにすれば、早いタイミングでレビューしてもらえるようになる。

私「全体通して、こんな感じの流れでいいですか?」
上司「うーん。ここ流れがおかしいね。このページの後にこんなスライド挟んでおいてくれる?」
といったやり取りができるようになる。


これで手戻りがぐっと減らせる。

さらに、変更修正も楽になる。3ページまで100%の作り込みをして、4ページ目で「あれ?ストーリー変えた方がよくない?」となると、これまでの作業が全部無駄になる可能性もある。

金太郎飴方式なら少しずつ全体の完成度を上げて行くのでこうした変更がやりやすくなる。

②時間切れを回避できる

全体の完成度を少しづつ上げて行く金太郎飴方式だと、リスクが早い段階で拾えるようになる。

例えば、「5ページ目を作るのに必要な情報が不足している」とか、「想定してなかったが、新たに5.5ページ目が必要になりそう」、という事が早い段階で見える。

1ページ目からガリガリ作っていくと、5ページ目に到達するまでこれはわからない。それに、こうしたリスクがこの先どのくらい潜んでいるかもわからない。

先に1~10ページを薄く広く見通しておくことで、「どのくらいの時間で作れそうか」「何がリスクか」を見通せるようになる。必要ならその時点で他者の支援を仰ぐこともできる。

時間がかかりそうなタスクを先にやっておくことも出来る。
結果的に「頑張って作業したんですが、時間切れで間に合いませんでした。8ページ目で調査に3日必要なタスクが出ちゃって・・・ごめんなさい」を避けやすくなるのだ。

仕事を引き受け、一人のプロとしてやりきるためには、絶対に必要なことだろう。



③芸術作品を作らなくて済む

もしかしたら、キーメッセージだけ並べただけで事足りるかもしれない。伝えたいことが伝わればいいのだから。
カラーリングなど凝らなくても良いかもしれない。

70%の完成度で目的が達成できるなら、それ以上クオリティを上げなくても良いはずだ。

でも1ページ目から順に100%にしていくと、最後までいかないと目的が達成できなくなる。

そうなると往々にして、やりすぎてしまうものだ。目的が達成できれば作っている本人のこだわりなどどうでもいいはずだ。芸術家ではなく、ビジネスパーソンなのだから。


④他のタスクと優先順位を比較して、より優先度の高いタスクにシフトしやすくなる

金太郎飴方式で仕事をしていると、全体の完成度が50%になった時点で、後どのくらい時間をかければ100%に持っていけるか大体見える。全体を少しづつ作っているからだ。

このタイミングで回りをキョロキョロすると、もっと重要度の高いタスク、先行き不透明なタスクが転がっていることに気が付ける。そうしたら先の見えたタスクは一旦おいておいて、もっと優先度の高いタスクに取り掛かることができる。



⑤他のメンバーにタスクを任せやすい

全体が50%まであがったら、後の仕上げは別のメンバーに任せることもできる。
大事な部分は押さえてあるので、大ブレすることはない。0%から50%にするのは大変だが大筋ができてしまえば後は比較的ラクだ。

など、色々あるのだが長くなってきたので説明は端折る。



概念として「金太郎飴」が理解できていると、立ち戻れる

僕は、一極集中型で視野が狭いタイプの人間なのだが、「金太郎飴方式で仕事をする」というのを意識するようになってから、途端に仕事の全体感が押さえられるようになった。

タスクをこなしていると、ふっと「金太郎飴」という言葉が頭をよぎるのだ。そのたびにハッとする。(ああ、ダメだ。全体をまず押さえよう・・・)と思える。

これは資料作成だけでなく、何にでも当てはまるので「自分のタスクで金太郎飴方式をやるなら?」と考えてみることをお薦めする。



コンサルタント谷澤さんのコメント

プログラム作成するときでも鉄則です。いついかなる時でも「コンパイルして」と言われてエラーにならない作り方を目指すべき。
理由はドキュメントとほぼ同じ。
それにプラスして、以下があるかな。
 ・俯瞰しやすくなるので全体的に考えられる
 ・チェックタイミングが短くなるので品質があがる
私がプログラミングするときは5分おきくらいにコンパイルか実行します。


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