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Start All or Nothing

ローカライズ、その直訳と翻訳

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 外国生まれのソフトウェアをローカライズする場合、使われる国の事情に合わせて、あまりにもエレガントに作業しすぎると、ワールドワイドでの整合性がとれなくなって、かえって混乱を招く場合がある。自国語版に慣れたユーザーが、理解できない他国語版を、いきなり使うはめになっても、メニューの位置から機能まですべて同じなら、何とか使えてしまうものだが、各国の事情に合わせてローカライズしすぎてしまうと、そういうわけにはいかないからだ。昨今ではセキュリティパッチのスピードにも影響するかもしれない。そうはいっても、もう少し何とかならないものなんだろうか。

 Windows XPのフォルダウィンドウには、アイコンの整列時にグループ分けをする機能がある。そのときのソートオーダーに応じて、日時順なら「今日」「昨日」「先週」「2週間前」、ファイル名順ならA、B、C...からア、イ、ウなどと分類してくれる。ただ、ひらがなやカタカナで始まるファイル名ならともかく、漢字のファイル名の場合は、この機能はほとんど役にたたない。
 さらに、Windows Vistaのフォルダウィンドウには、グループ分け表示に加え、新たに「××でスタック」という機能が追加された。これは、グループを仮想的なフォルダのように見せかけるもので、検索機能の拡張として実装されている。自動生成されたスタックを開くと、該当するファイルの一覧が表示される。
 ところが、日本語のファイル名を持つアイコンは「Kanji」という名前のスタックにまとめられてしまう。せっかく便利そうな機能なのに、これじゃ、意味がない。
 Excelでは、コピー&ペーストしたものは無理だが、その場でセルに入力した文字列に関しては、そのふりがなが記憶されるようになっている。同じように、ファイル名のふりがな情報もプロパティとして保存しておき、ソートのキーとして利用するくらいのことはできないものなのだろうか。
 まれにハプニングがあるとはいえ、ようやくファイル名に日本語を使っても特に問題が起こらない時代になったのに、こうしたVistaの実装を見ていると、ちょっとくやしい。これから5年は使い続けることになるであろうOSなのだから、ふりがなくらいはハンドルできるようになっていてほしかった。

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