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宇宙基本計画について SX(スペース・トランスフォメーション)が世界的なうねりに

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政府の内閣府は2023年6月23日、「宇宙開発戦略本部 第28回会合」を開催し、宇宙基本計画(案)や宇宙安全保障構想(案)について議論・検討がされています。

今回はこの中から、「宇宙安全保障構想(案)」について、とりあげたいと思います。

新たな宇宙基本計画では、安全保障、防災・減災やイノベーション、宇宙科学と探査などの民生分野、そして、これらの宇宙活動を支えるロケットなどについて、将来像を示し、その実現に向けた今後10年程度の取組を定めています。

特に、研究開発については、今後、新たに宇宙技術戦略を策定し、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の研究開発力を強化するとともに、JAXAが企業や大学に資金を提供する機能を強化し、官民連携でイノベーションを加速していくとしています。

今回の基本計画策定に背景などについてです。


⼈類の活動領域が本格的に宇宙空間に拡⼤するとともに、宇宙システムが地上システムと⼀体となって、地球上の様々な課題の解決に貢献し、より豊かな経済・社会活動を実現しています。また、安全保障環境が複雑で厳しいものになる中、宇宙空間の利⽤が加速しています。

こうした宇宙空間というフロンティアにおける活動を通じてもたらされる経済・社会の変⾰(スペース・トランスフォメーション)が世界的なうねりとなっている中、我が国の宇宙活動の⾃⽴性を維持・強化し、世界をリードしていくことが必要となっています。

この実現のため、宇宙基本計画を改定しhています。関係省庁間・官⺠の連携を図りつつ、予算を含む資源を⼗分に確保し、これを効果的かつ効率的に活⽤して、政府を挙げて宇宙政策を強化していくとしています。

目標と将来像についてです。以下の4つの項目をあげています。

(1)宇宙安全保障の確保
•宇宙からの安全保障︓情報収集衛星や衛星コンステレーションによる情報収集等
•宇宙における安全保障︓宇宙領域把握(SDA)体制の構築等
•宇宙安全保障と宇宙産業の発展の好循環

(2)国⼟強靱化・地球規模課題への対応とイノベーションの実現
•通信︓陸海空と宇宙がシームレスに繋がる
•リモートセンシング︓発災後、早期の被災状況確認による迅速な災害対応等を実現等
•衛星測位︓準天頂衛星のcm級測位による⾃動化・無⼈化で労働⼒不⾜解決に貢献

(3)宇宙科学・探査における新たな知と産業の創造
•⽣命の可能性等の⼈類共通の知を創出し、⽉以遠の深宇宙に⼈類の活動領域を拡⼤
•⽉⾯探査・地球低軌道活動における産業振興を通じて、段階的に⺠間商業活動を発展
•次世代⼈材育成と国際プレゼンス向上

(4)宇宙活動を⽀える総合的基盤の強化
•他国に依存することなく宇宙へのアクセスを確保し、⾃⽴的な宇宙活動を実現
•衛星運⽤状況等の情報共有が進展し、スペースデブリの数が⼀定程度まで管理される
•技術・産業・⼈材基盤の確⽴

そして、基本スタンスです。

(1)安全保障や宇宙科学・探査等のミッションへの実装や商業化を⾒据えた政策
(2)宇宙技術戦略に基づく技術開発の強化
安保・⺠⽣分野横断的に検討、サプライチェーンも強化

(3)同盟国・同志国との国際連携の強化国際的規範・ルール作り、我が国強み活かした協⼒等
(4)国際競争⼒を持つ企業の戦略的育成・⽀援
国際市場で勝ち残る意志と技術等有する企業を重点⽀援

(5)宇宙開発の中核機関たるJAXAの役割・機能の強化
JAXAの戦略的かつ弾⼒的な資⾦供給機能を強化、産学官の結節点に
(6)⼈材・資⾦等の資源の効果的・効率的な活⽤
⼯程表・宇宙技術戦略で資源を効果的・効率的に活⽤

具体的なアプローチは以下のとおり、

(1)宇宙安全保障の確保
(2)国⼟強靱化・地球規模課題への対応とイノベーションの実現
(3)宇宙科学・探査における新たな知と産業の創造
(4)宇宙活動を⽀える総合的基盤の強化

の取り組みから紹介しています。

スクリーンショット 2023-06-21 145404.png

出典:宇宙開発戦略本部 第28回会合

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