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宇宙産業分野における人的基盤強化について

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経済産業省は2018年5月1日、「宇宙産業分野における人的基盤強化のための検討会」の報告書を取りまとめを公表しました。

近年、宇宙産業においても、技術革新や新規参入企業等の増加等を背景に宇宙由来のデータの質・量が抜本的に向上してており、政府としても宇宙産業全体の市場規模を2030年代早期に倍増することを目指すこととしており、そのためには宇宙分野全体での人的基盤強化を行う必要があるとしています。

経済産業省では、人材政策全般の議論とも連動しつつ、宇宙産業の人材の実態を踏まえた具体策の検討を行うため、本年1月に、「宇宙産業分野における人的基盤強化のための検討会」を立ち上げ、本検討会で議論された結果を報告書として取りまとめています。

政府が示す第四次産業革命における宇宙産業に係る概要は以下のとおりです。

政府では、宇宙産業の今を絶好の好機と捉え、宇宙 利用産業も含めた宇宙産業全体市場規模(現在1.2兆円)の2030年代早期の倍増を目指して、その実現に向けた取組みを進めており、その一方で、宇宙分野における専門人材の不足が課題となっており、宇宙産業 分野における人的基盤強化に向けて早急な対応が求められているとしています。

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出所:経済産業省 「宇宙産業分野における人的基盤強化のための検討会」の報告書を取りまとめ 2018.4

宇宙産業分野における人的基盤強化のの論点では、①育成 ②呼び込み ③循環 ④交流の4点から議論をしています。

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出所:経済産業省 「宇宙産業分野における人的基盤強化のための検討会」の報告書を取りまとめ 2018.4

日本の宇宙産業分野における人材施策の方向性では

①「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」の活用を通じた衛星データに関するデータサイエンス認定講座の新規創設、ビッグデータ解析等の講座を現在開設している事業者等を対象とした衛星データ基礎講習機会の拡大、等によるデータサイエンティスト等の専門人材の育成

② 宇宙ビジネス専門人材プラットフォーム「S-Expert」(仮称)」の創設を通じた、宇宙産業内の人材流動性の向上及び他産業からの宇宙産業への人材流入の促進

の2点をあげています。

「S-Expert」(仮称)は以下のとおりです。

政府は、ビジネスアイデアや技術を有する潜在的創業者・ベンチャー企業等の人材ニーズと JAXA や大企業等(宇宙産業に限らず、他産業の大企業等を含む)の OB 人材・現役人材の専門性のマッチングのための専門人材プラットフォーム「S-Expert」(仮称)の構築を進めていくとしています。

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出所:経済産業省 「宇宙産業分野における人的基盤強化のための検討会」の報告書を取りまとめ 2018.4

また、宇宙産業内の人材流動性の向上及び他産業からの宇宙産業への人材流入を促し潜在的創業者・ベンチャー企業等に対し、S-Matching による資金調達機会の拡大に加え、必要なスキルを持つ人材も提供することで、宇宙産業におけるイノベーションをさらに促進させることを目指しています。

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出所:経済産業省 「宇宙産業分野における人的基盤強化のための検討会」の報告書を取りまとめ 2018.4

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