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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

デジタルトランスフォーメーション(DX)に関わる支出が成長のドライバーとなり、クラウドの利用も拡大へ

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調査会社のIDC Japanは2016年10月3日、国内ITサービス市場予測を発表しました。

国内ITサービス市場は、2015年~2020年の年間平均成長率は1.5%で、2020年まで成長を継続し、2020年には5兆8,062億円になる見通しになると予測しています。

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出所:IDC Japan 国内ITサービス市場予測 2016.10.3

2014年、2015年の2年間は前年比成長率で3%を上回る高い成長でしたが、成長の背景には、企業の業績回復を背景とした既存システム更新/拡張需要や、金融機関におけるシステム統合/更新や、官公庁/地方自治体での支出拡大、小売業における店舗システム刷新といった大規模なプロジェクトなどがあったためとしています。

2016年は大型案件が一段落し、成長は鈍化していくと予測しています。成長のドライバーとなるのは、IoT(Internet of Things)、デジタルマーケティング、ビッグデータを活用した製品/サービスイノベーション、ITを活用した新たな事業開発などの案件となるデジタルトランスフォーメーション(DX)に支出が移っていくと予測しています。

特に2018年以降は、DX案件実現のためのコンサルティング、システム開発、アウトソーシング支出が同市場をけん引しする一方で、DXが市場に浸透する中で、国内企業のIT支出の形態は、これまでのようなシステム開発、アウトソーシングといったITサービス関連支出から、クラウド、BPOなどの代替サービスへと移っていくため、国内ITサービス市場拡大の阻害要因としても働くと予測しています。

国内ITサービス市場は、DXを軸として大きな変革期を迎えており、DXは、単なるサービス/製品の変化にとどまらず、企業のIT投資行動、サービス提供価値、ITサプライヤーの競合など、市場に関わるあらゆるものを変革するような「パラダイムシフト」が求められてるとしています。

こういった流れを受け、IDCでは、ITサプライヤーはDXを自らの成長機会とするため、DXを志向する顧客の要望に応えられるようなサービスデリバリー体制を整えていく必要性を示しています。

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