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2014年クラウド展望(1)市場の成長性

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2014年は、クラウドの市場が本格的に成長する年となり、ビジネス環境やテクノロジーなどにおいて大きな変化のある年といえるでしょう。何回かに分けてクラウドの展望について、さまざまな視点で考察をしていきたいと考えています。

まずは、各調査会社のクラウドサービス市場に関する調査資料について、整理します。

調査会社のMM総研は2013年8月28日、「国内クラウドサービス需要動向」を公表しました(リリース記事)。クラウドサービスの市場は2012年の5,102億円に対して、2015年度に1兆2,558億円、2017年度に2兆411億円に達すると予測しています。2014年は1兆円近くに達する見込みで大きく市場が成長する年といえます。

ユーザ企業はシステム構築の際にクラウドの採用を優先的に検討する「クラウドファースト」企業が7割に達するなど、クラウドの導入が進んでいる点を指摘しています。MM総研では、パブリッククラウドよりもプライベートクラウドの市場規模と市場成長性が高いとしています。


出所:国内クラウドサービス需要動向 MM総研 2013.8.28

調査会社のIDC Japanは2013年10月24日、「国内パブリッククラウドサービス市場予測」を公表しました(リリース記事)。2013年の国内パブリッククラウドサービス市場は1,321億円の見込みで2017年の市場規模は2012年比3.6倍の3,376億円に達すると予測しています。

2014年の市場は、引き続きSaaSの比率が高いものの、PaaSの市場成長が見込まれています。IDC Japanでは、クラウドパートナーが提供する機能やサービスがユーザ企業の導入障壁を下げ、クラウドの付加価値を高めると指摘しています。

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出所:国内パブリッククラウドサービス市場予測 IDC Japan 2013.10.24

株式会社アイ・ティ・アール(以下ITR)は2013年11月28日、「ITR Market View:クラウド・コンピューティング市場2013」を発表しました。2012年度のPaaS/IaaS市場の市場規模は841億4,000万円となり、2014年には1462億円に達すると予測しています。ITRでは、市場拡大にはエコシステムの確率が重要なポイントであると指摘しています。

aaS/IaaS市場規模推移および予測

いずれの市場調査からもクラウドサービス市場は、2014年も引き続き成長が見込まれており、成長分野においての、事業者の競争環境、サービスモデル、各インダストリーでの活用、エコシステムの形成などで大きな変化が生まれていくでしょう。

 

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