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AR(拡張現実)についてソフトバンクテレコムとKDDIの話を聞いてみた

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11月13日、情報通信学会が主催する第26回国際コミュニケーションフォーラム「AR技術が拓くモバイルコミュニケーション」を傍聴してきました。少し遅れてきたのですが、会場は満席状態で、後方の机のない席に座るほどでした。ARについての関心の高さが伺えました。

私が傍聴したのは、吉井英樹(ソフトバンクテレコム ネットワーク本部 オープンクラウド開発部)氏の「セカイカメラを使った京都市での観光情報提供実験」、それから、小林亜令(KDDI研究所特別研究員)氏の 「実空間透視ケータイ ~ケータイが実空間を理解する~」の二つです。

以下、フォーラム中にTwitterでツイートし(つぶやい)たものを少し整理してみたいと思います。

ソフトバンクの話

SBの「セカイカメラを使った京都市での観光情報実験」の紹介。ICTを用いた京都観光プロモーションPJ(総務省:ICT経済・地域活性化基盤事業)

京都市内でのセカイカメラ環境の構築。ARで現地を訪問しないと情報を得られない仕組みづくり。観光情報の多言語化。観光動向調査。古地図活用。多彩なセンサーの具備。CGMの連携。課金機能。

セカイカメラの観光事業への貢献。多言語にかかるコストの低減。ユニバーサル端末。旅行前後のフォロー。セカイカメラのPlug-in化

セカイカメラの課題。位置情報測位精度の問題。利用場所の問題(ネット空間と現実社会のルール)。認知度の問題。

KDDIの話


KDDIから「実空間透視ケータイ」の紹介。センサが実空間を理解する。これからはユーザがケータイと会話しながら価値を見いだす。センサが実空間から何をどのように理解するのか=センサデータマイニング。

センサデータマイニングがもたらすミクロなアンビエント(数年後)。センサが個人と環境をつなぎ!ユーザプレゼンス情報を取得できると、様々なサービスを提供でき、人間に超能力、利便性、安心感をもたらす。

ユーザプレゼンス(ミクロ)から空間プレゼンス(マクロ)へ。ケータイを使ってユーザプレゼンス情報が取得できるようになると、次にそれを共有できるようになる。複数ユーザのプレゼンスが組み合わせると、空間プレゼンス(場の状況)が取得できるようになる。

ARの事業性。実空間連動広告。プレゼンス連動広告。実空間情報の証券化。広告からECサイトへ。プラットフォーム利用料など。

実空間透視ケータイのプロジェクト。地球アルバムコンテンツ(記念に思い出をおく)。トラベルビューア-コンテンツ。マワリポコンテンツ。

という感じです。その後の講演とパネルディスカッションは残念ながら聞くことはできずに、会社に戻りました。AR技術は非常におもしろく、ビジネスとしての可能性も感じるところですが、認知度の向上やビジネスモデルの展開については、少し時間がかかるのではないかという率直な印象です。仮想世界と拡張現実 (AR)とよく比較されることがありますが、果たしてARがどこまで、そしてどの程度のスピードで市場に普及し拡大していくのか、今後の動向が注目される ところです。

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