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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

三菱電機の携帯端末事業からの撤退、そしてソニー・エリクソンのドコモ向け携帯の開発・製造からの撤退が記憶に新しいところです。そして、NTTドコモは22日、2010年までに携帯端末のOSのアンドロイド採用の方針を明らかにしました。

 

ガラパゴス現象と携帯鎖国

昨年11月、「NTTドコモの2007年冬モデルへの本気度と潜むリスク」という記事を書かせていただきました。2007年の秋冬モデルにドコモの本気度を感じたのですが、世界の流れの動きと逆行する動きに少し懸念していました。その一部を抜粋してみましょう。

今回の携帯電話は、HSDPAやワンセグや国際ローミングそしてGPS等の今あるすべての機能を搭載できるようになりました。今回を携帯電話の集大成と位置づけ、下期のサービス戦略も述べていましたが、速度アップを除く機能面において中長期の戦略はあるのでしょうか?次に何を入れるかわからないほど機能を盛り込んでしまったように見受けられます。

また、機能が充実すれば次は国際展開と考えるのが一般的なのですが、携帯電話は自動車やデジタル家電のように国際競争力のある商品に育つのでしょうか?現在、世界のシェアにおいて国内メーカが束になっても、世界のシェアの10%未満であるということを考えると、機能は充実した分価格に跳ね返り、世界では戦えない携帯電話のままで終わってしまうということが十分に考えられます。

これまで、携帯事業においては、「ガラパゴス現象」や「携帯鎖国」等と言われ、ICT国際競争力で日本が遅れている象徴的な分野とされてきました。そのため、総務省が昨年開催した「モバイルビジネス研究会」が「モバイルビジネス活性化プラン」として方針案を出し、割賦奨励金の見直しやSIMロックフリーの検討等が、携帯メーカの戦略に少なからず影響を与えました。日本国内において携帯事業が成熟する中において、国際競争に再度参戦していかなければ携帯事業を続けて収益を伸ばしていくことは、厳しい時期にきていると言えるでしょう。

 

ドコモのアンドロイド採用のインパクト

323日の読売新聞の一面によると、NTTドコモは22日に2010年までに端末の基本設計を抜本的に変更する方針を明らかにし、Google Android(アンドロイド)のOSを採用するとしています。

アンドロイドは携帯向けのOSにおいて世界共通プラットフォーム化の動きがあるため、ドコモが採用すれば、国内携帯メーカのアンドロイドOS搭載の携帯端末を開発・製造が進むことが予想されます。そうなれば、海外への展開は従来よりもハードルが低くなることが考えられます。現にドコモはアジア地域の携帯電話会社への出資を検討しているようで、海外市場への再リベンジも可能になるかもしれません。

また、国内においてはアンドロイドのOSiモード機能を搭載するなど高機能の端末をこれまでのように投入しつつ、海外においては、国際競争をにらみながら、低価格でシンプルな端末を投入することも可能になるでしょう。

 

第4世代に活路を見出せるか?

しかしながら、携帯端末は携帯事業者との連携も必要で、また、ノキアやサムソン等の海外メーカとの熾烈な価格競争にさらされるため、単純にアンドロイド対応の携帯端末を投入するだけでは、海外の携帯市場の土俵に上がって勝負することはなかなか難しいのが現実であると考えられます。

その追い風となるのが第4世代です。総務省は321日、「第4世代移動通信システムに関する国際会議(ICB3G-2008)の開催」を公表し、327日、28日に東京にて日本、中国、韓国及び欧米各国の専門家を一堂に集め、IMT-Advancedに関する政策、国際標準化、技術開発等について国際的な意見交換を行うと発表しました。2011年ごろに第4世代移動通信システム(4G)の国際標準規格は定まると見られますが、携帯市場急速に拡大している中国と手を組むことによって、国際標準化に向けて、日本の提案力を高め、日本主導で進めるために本格的な取り組みが始まっています。

 

アンドロイドと第4世代を契機に世界市場に踏み込めるか?

Hakusyo 総務省の「平成19年版情報通信白書」によると、1997年の世界市場における携帯電話端末の国別シェアは日本が33.3%で世界トップの時期がありました。その後、通信規格が乱立し、第2世代でドコモの規格が国際標準に採用されず、第3世代(FOMA)も世界に先駆けて始まりましたが、高機能な端末がゆえに価格が高くなり、世界市場では売れずに世界市場からの撤退を余儀なくされました。


携帯端末メーカが淘汰される正念場の時期の中で、これまでの教訓を生かし、第4世代とアンドロイドを契機に日本の携帯事業は、世界市場への踏み込むきっかけを見出すことができるでしょうか?


MASAYUKI HAYASHI

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林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスの開発企画を担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『「クラウド・ビジネス」入門』

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