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「この世界の片隅に」の日常の中の戦争と戦争の中の日常を泣かないで見た

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今年は自分としては映画をたくさん見た年でした。映画関連のフットワークがなんだか軽くなったみたいで、シネコンではやっていない「この世界の片隅に」も見てきました。SFじゃないアニメ映画をミニシアターに見に行ったのは初めてかも。konoseka.png

自分のFacebookのニュースフィードで、信頼している複数の(まったく違うフィールドの)"友達"が高く評価していたので。

第二次大戦が始まる少し前から終わってから少し後までの広島と呉での日常がていねいに描かれています。NHKの朝の連続テレビ小説もそれくらいの時代の話をよく取り上げていて(今やってる「べっぴんさん」もそうです)、そういうのはどこか紋切り型に見えてしまうのですが、この映画では世界に自然に入れてしまいました。主人公の「すず」が自然でリアルで、日常もすごく自然に淡々と描かれているからだと思います。

子供のころは母から戦時中の話(母は東京で育ち、戦争で栃木に疎開しました)を聞くたび、「そんなのは私には絶対耐えられない」と思ったものですが、映画では日常が日常のまま戦争に入っていくのが自然に描かれていて、あれなら私でも知らないうちに戦争の中の日常を生きていただろうと実感しました。反戦映画ではないと思いますが、戦争が日常のすぐ隣にあることが実感できる映画です。

だから、泣きたくなるようなシーンがたくさんありますが、これは、現実として受け止めながら見るべきものだと思ったら、厳かな気持ちになって泣かずに見ちゃいました。

コトリンゴの透明な音楽もぴったり。オープニングの平和な広島の街のクリスマスのシーンに流れる「神の御子は今宵しも」も「悲しくてやりきれない」(ザ・フォーク・クルセイダーズの曲ですが、私は矢野顕子のカバーが大好き)も、世界観を支えていたと思います。そういえば「シン・ゴジラ」と「君の名は。」も音楽が大事だったなぁ。

映画を見ている間は泣きませんでしたが、映画を見た後で、原作者のこうの史代さんのインタビューを読んだら、その真摯な姿勢にじーんと来てちょっと泣いた。

テアトル新宿なら、事前座席指定で見られます。終映日は未定になっているので、年内は大丈夫そうです。

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